この記事はだいたい 9
分前後で読めます。
スキンケアの基本の基本
目次
Outline
スキンケアの基本
赤ちゃんのほっぺはぷっくりして弾力があります。誰しも赤ちゃんのように柔らかくて弾力のある肌を保ちたいと願っています。そのためにはスキンケアで気をつけることが大事です。肌は年齢とともに紫外線にさらされ、大気中の汚れやアレルギー物質の刺激をうけてバリア機能が弱まり、少しずつ老化がすすみます。この老化をできるだけ遅らせること、それが柔らかく弾力のある肌を維持する秘訣です。そのために行うのがスキンケアです。スキンケアの基本は、①洗う、②補う、③保護するの３ステップでなりたちます。バリア機能さえ損なうことがなければ、肌はいつまでも美しく健康でいられます。たとえば鶴瓶の家族に乾杯などにでてくる田舎町のおばあさんが、驚くほどきれいな肌をしていることがあります。とくにお化粧もしていないのにです。ところが多くの人は、さらに肌を良くしようとして、結果的にバリア機能をこわしてしまうことが多くなっているのです。では、柔らかく弾力ある肌を維持するには、どんなことに気をつければよいのでしょうか。
赤ちゃんのぷりぷり肌
バリア機能の仕組み
肌には本来、水分の蒸発を防いで、外部の刺激から守るためのバリア機能が備わっています。このバリア機能は、肌の外側にある角層に集中しています。その第一は、肌の表面を覆っている皮脂膜です。肌の表面には、善玉菌の表皮常在菌が住んでいて、皮脂膜をつくって肌を守っています。このことを知らずに、常在菌をないがしろにして、肌環境を悪化させてしまう人が多いのです。皮脂膜は表皮常在菌が汗と皮脂をエサにして作り、肌を弱酸性に保っています。弱酸性であることで、アルカリ好みの悪玉菌の増殖を防いでいるのです。第二は、角層の細胞のあいだを満たしている角質細胞間脂質です。セラミドが主の油溶性の成分です。第三は、角層内にあるNMFという水溶性の保湿成分です。肌はこの３つのバリアによって、水も油も通さない仕組みになっています。これが保たれて大切なバリア機能を守り、損傷したり劣化したりしないようにするのがスキンケアの役目です。では具体的にみていきましょう。
バリア機能の３つの仕組み
スキンケアは３ステップ
スキンケアの第一ステップである「洗う」は洗顔です。大気中にはさまざまなアレルギー物資やPM2.5などの有害物質が漂っています。これが目に見えないうちに肌に付着します。これを落とすのが洗顔です。洗顔には、洗顔料や石けんがあります。しかし洗顔料のほとんどに、合成界面活性剤が配合されています。表皮常在菌は化学成分に弱いので、合成界面活性剤によって殺傷されてしまいます。これを避けるために、洗顔には石けんが必要です。ただ石けんのアルカリ度や洗浄力は千差万別であり、強いものを使うと必要な皮脂や常在菌まで削ぎ落してしまいます。たとえ石けんでも、ゴシゴシ擦り洗いをするのは禁物です。石けんは泡が大切なので、ぬるま湯でよく泡立ててから、その泡を肌に押しつけるようにすると、泡が汚れを吸いとってくれます。それを水またはぬるま湯でかけ流します。しっかり擦らなければ洗った気がしないというのは認識の誤りで、やさしく洗うことが大事です。
化粧水はクリームでフタをする
第二ステップの「潤す」は、水分を補給するための化粧水です。化粧水の役割りは、不足する水分を補うことです。それにはできるだけ皮脂に近い成分のものであることが望まれます。ローズマリーのように保湿性が高く、美容効果も高いものを選ぶのがよいでしょう。化粧水のつけ方は、両手で顔を包み込むようにしてハンドプレスし、じっくり浸透させるのがコツです。
第三ステップの「保護する」は、クリームです。化粧水はバリア機能が弱っていると、すくに蒸発してしまいます。そこで蒸発を防ぎ、外部刺激から肌を守るのがクリームの役割りです。クリームの基剤には、オリーブ油などの油を使ったものと、ワックスエステルのようなロウ成分のものがあります。ホホバ油は、油という字はありますが、人工心臓の潤滑油にも使われるほど酸化しにくいワックスエステルが主成分です。油焼けが心配な人は、ホホバオイルやみつろうを使ったクリームを使うとよいでしょう。この３つのステップをきちんと行うことで、健康な肌を維持することが可能になります。
トラブル肌のスキンケア
ではトラブル肌になってしまった場合のスキンケアはどうすればよいのでしょうか。敏感肌や酒さなどのトラブル肌では、まずその原因に着目することが大事です。肌トラブルの大きな要因に、化粧品に含まれるケミカルな合成成分があります。合成成分は長い間にバリア機能をこわすからです。この場合は、ケミカルな合成成分を含む化粧品を直ちに止めることです。つぎに、植物エキスなどのオーガニック化粧品に切り替えることです。合成成分は５００℃以上もの高温や高圧のもとで化学反応させて大量生産されます。このため３７℃前後の人の体温では分解できないため、徐々に蓄積していきます。合成成分は人体にとって毒なのですが、薄めて使っているから安全とされているだけなのです。長い年月の間に蓄積すると、やがて肌トラブルにつながります。敏感肌や酒さなどの肌にとって、ケミカルな合成成分の化粧品を使いつづけることは悪化要因になります。合成成分の化粧品は直ちにやめて、オーガニック原料の化粧品に切り替えることが大事です。
正しいスキンケアが美しい肌を実現
肌を甦らせるヒト幹細胞培養液
最近、オーガニックを超えるヒト幹細胞培養液の化粧品が注目を集めるようになりました。肌細胞を再生して甦らせる化粧品です。バイオ技術の進歩から生まれたヒト幹細胞培養液は、いま美容整形などの再生美容に盛んに生かされています。表皮の基底層や真皮の衰えた線維芽細胞に働きかけて再活性化し、美容成分を自ら生みだして肌自体を若返らせるのです。使い方は従来の化粧品と変わりませんが、外から美容成分を与える従来の化粧品とは根本的に異なるものです。ヒト幹細胞を培養する上清液には、５００種類以上もの細胞の成長や分裂を促進するサイトカインが浸出します。それを肌に与えると、肌になじみのよい理想的なスキンケアが可能になります。そもそもヒト由来なのでアレルギー性や刺激がなく、肌を再活性するので、エイジングケアに最適とされています。
合成成分のチェックを忘れずに
ただ、実際の使用に当たっては、注意すべきことがあります。合成成分の化粧品に、ヒト幹細胞培養液を少し加えただけで効果を謳うものもあるからです。また有効成分の配合量が少なく、効果が乏しいものもありますす。成分表示の最初の方（３番目以内）に、ヒト幹細胞培養液の記載があるものを選ぶなど、成分チェックが不可欠です。オーガニック化粧品のほとんどにも合成成分が使われており、それが肌のバリア機能を損傷する作用をします。合成界面活性剤や合成ポリマーが配合されていて仕上がりがきれいに見えますが、肌の表面に薄いビニールの膜をつくるなど、肌のためにはなりません。なぜなら、ビニールの膜で覆われた肌は、皮脂分泌が正常にできなくなり、やがて肌のバリア機能を狂わせてしまうからです。
繰り返しになりますが、スキンケアとは肌のバリア機能を維持し、表皮常在菌を大切に守ることです。バリア機能さえしっかりしていれば、肌はいつまでも若々しく健康でいられます。もしスキンケアで迷ったら、まず原点に戻って、バリア機能のためになっているかどうかを考えてみることが大事です。
Wrote this article この記事を書いた人
proro
関連記事 Related articles
