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なぜ免疫が花粉だけを攻撃するのか
「花粉の季節になると憂鬱になる」という方が多いです。日本人の4人に1人が花粉症といわれ、国内で最も多いアレルギー疾患です。花粉症は、体内の免疫が花粉を敵とみなして攻撃することにより生じます。花粉をなぜ免疫が敵と判断して攻撃してしまうのか?花粉が飛び始める季節になると、目のかゆみや鼻のムズムズが気になってしまいますよね。とくに、30代後半で乾燥肌や敏感肌の方だと、肌のバリア機能も低下気味で、花粉が肌に触れただけでも赤みやかゆみが気になることが多いのではないでしょうか。普通なら体を守る役割を果たしてくれる免疫細胞が、なぜ花粉だけを攻撃してしまうのでしょうか。
糖鎖の損傷が免疫異常を引き起こす
その理由は、免疫をつかさどる細胞表面にある「糖鎖」が損傷を受けてしまい、本来は細胞内に取り込むべきものや無害な物質まで“敵”として判断してしまうからといわれています。花粉が有害物質として認識すると、花粉を排除するための物質が大量に分泌され、くしゃみや鼻水、さらには肌荒れなどを引き起こしてしまうのです。乾燥肌や敏感肌の方は、こうした免疫異常の兆候をより強く感じることが多いかもしれません。「糖鎖」と聞くと「なにそれ?」と思われる方も多いかもしれません。けれど、糖鎖は人間の約60兆個の細胞それぞれに備わっている大切な情報アンテナです。細胞同士がきちんと情報をやり取りして、栄養か有害物質かを瞬時に判断できるのは、糖鎖のおかげとされていますが、まだ分からないことが多すぎて、世界の大学などで研究の途上です。
細胞表面の糖鎖の電子顕微鏡写真
糖鎖は約200種類ある糖質のうち、わずか8種類の単糖が組み合わさってできています。砂糖とはまったく違うものです。この8種類の糖質がひとつでも不足すると、糖鎖が正常に機能せず、花粉などを誤って有害認定するリスクが高まるのです。現代では、私たちの食生活が大きく変化し、化学物質を含む加工食品や添加物の多い食事をとりがちです。そのため、糖鎖を形成するために必要な栄養が不足し、結果的に免疫が誤作動を起こすケースも増えていると考えられています。
大気中に漂うアレルギー物質
花粉症はアレルギー症状のひとつで、花粉が体内に侵入した際、免疫システムが過剰に反応してしまうことで起こります。花粉症の治療には抗ヒスタミン剤が処方されますが、眠気や口渇、便秘などの副作用があるので注意が必要です。花粉症といっても症状はさまざまで、くしゃみや鼻水だけでなく、目の充血や涙目、肌のかゆみなどに悩まされる方も少なくありません。乾燥しがちな肌に花粉が付着すると、刺激を受けやすく、かゆみや炎症をどんどん助長してしまいがちです。さらに、空気中には現代特有の車の排気ガスや化学物質など、別のアレルギー要因となるものがたくさん存在しています。花粉単体であれば耐えられる方でも、複合的な刺激が重なることで、一気に症状が現れたり悪化したりする可能性があります。忙しい日々を送っていると、生活リズムの乱れやストレスも加わり、含まれている栄養素が偏ってしまうことが、より一層この花粉症を深刻化させるといわれています。糖鎖についてより詳しい説明は、次のURLをご覧ください。
■https://www.youtube.com/watch?v=JsXdtbqe2YM
東海国立大学機構のパンフレットから
糖鎖を最も多く含むイワツバメの巣
上記の情報にもあるように、糖鎖は私たちの体を守る免疫を支える大切な存在です。糖鎖がしっかり機能していれば、花粉はただの外部からの物質として認識され、過剰な反応を引き起こさなくなる可能性があります。実際、糖鎖を正常化するために十分な栄養を取り入れることで、花粉症がほどよく緩和されたという声もあります。ただし現代では、通常の食事だけで8種類すべての糖質をバランスよく摂り入れるのは難しいといわれています。最も多く含まれるのは、南方のイワツバメの巣や海産物など普段なじみがない食材に多く含まれます。このため、糖鎖サプリメントなどで補充することも必要になります。乾燥肌や敏感肌の方にとっては、肌の抵抗力も育みやすくなるため、花粉の時期に起こりがちな肌トラブルを緩和するためにも、糖鎖を整えるアプローチは注目されるところです。
症状を下減するためのポイント
症状を軽減するのに糖鎖があるとはいえ、花粉の季節を乗り切るには、日々のケアの積み重ねが大切だと感じます。敏感肌をいたわりながら、花粉症状を少しでも和らげる工夫に取り組むと、春先も軽やかな気分を保てることでしょう。以下では、軽減を目指すためのポイントをいくつか挙げてみます。
・外出時はマスクやゴーグルメガネで花粉の侵入を防ぐ
・帰宅後は衣類や髪についた花粉を払い落としてから室内に入る
・部屋の加湿や適度な換気を行い、乾燥しすぎない環境を整える
・刺激の少ないスキンケア商品を選び、肌バリアをサポートする
・糖鎖サプリメントなどを摂取し体内から免疫バランスを整える
・栄養バランスの良い食事と質の良い睡眠で、体力と肌力をアップする
とくにマスクの内側にガーゼやコットンを重ねたインナーマスクでは、吸い込む花粉の量を30分の1に減らせたという報告もあります。毎日の中でこうした工夫を取り入れて、小さな変化をコツコツ積み重ねるのが大事だと思います。
糖鎖をサポートするためのサプリメント
花粉症は一度発症すると、完治が難しいと言われがちですが、改善の余地は十分にあります。生きた細胞は常に新陳代謝を繰り返し、体は日々の食事やケアによって少しずつ変化しています。だからこそ、乾燥肌や敏感肌の方の肌トラブルを少なくするためにも、糖鎖をサポートする栄養を意識して補給しつつ、花粉を含む外的刺激から肌を守ることが大切です。花粉の季節になると、朝起きたときに肌や目、鼻まわりがなんとなくむずむずすることもありますよね。ですが、糖鎖の働きが整うことで誤った攻撃をしにくい体質に近づき、くしゃみや鼻水、肌の赤みなどを抑えられる可能性が高まります。さらに、乾燥肌や敏感肌ならではのピリピリした刺激感も少しずつ和らいでいく可能性が高まります。
大きな変化は一朝一夕には訪れないかもしれません。しかし、花粉症が始まる前の早めの対策を継続することで、憂鬱だった春を少しずつ明るい気分で過ごせるようになるでしょう。 花粉症シーズンを乗り切るには、肌や体をトータルにケアする工夫が欠かせません。前述のように、日常生活に取り入れられる方法も多いので、無理なく実践していきたいですね。花粉症はスギ花粉が飛び始めるバレンタイン前後から増えるといわれています。糖鎖サプリメントの利用も一つの手段に入れながら、花粉が多い日は外出方法を工夫するなどして負担を減らしましょう。せっかく訪れる春を明るい気分で、肌の状態もいたわりながら、しっかりと対策をしていきたいものです。