時間軸を無視する化粧品の優劣比較
化粧品の優劣比較に時間軸の視点がない
数年前、週刊文春が「塗ってはいけない!皮膚科専門医が警告する化粧品の真実」という特集記事を4回にわたって掲載しました。メーカーや化粧品の実名まで載せたこの企画は画期的なものでした。何故なら、雑誌は化粧品の広告収入に依存しており、化粧品の批判はしないのが普通だからです。企画自体は素晴らしかったのですが、ただ、敏感肌や酒さなどに悩む人にとっては、その優劣比較に時間軸の視点が欠けていたのは残念でした。多くの場合、塗ってすぐには何ごとなくても、10年、20年と長く使ったとき、バリア機能が破壊され、さまざまな皮ふトラブルに苦しむ人が大勢だからです。
週刊文春の特集記事
皮膚科の薬で慢性化したり悪化したり
皮膚科でもらった薬で治ったという報告はあまり聞きません。みんな同じような症状をくり返し、慢性化したり悪化したりして苦しんでいるからです。顔は女性にとって命といえます。化粧品を長期使ったらどうなるか、その評価は確かに難しい側面はあるかもしれません。もって生まれた肌が丈夫で、長期使用でもトラブルにならずに済む人もいます。このため炎症が化粧品に起因していることに気づきにくいのです。このため炎症を起こしてもケミカル化粧品を使いつづけて、一段と悪化させている人がいるのです。
酒さ
対処療法が主流の皮ふ疾患
乾燥肌や超敏感肌で苦しむ人は、みんなケミカル化粧品を長期にわたって使いつづけた人たちが大多数です。オーガニックであると信じて使っている化粧品の9割に、何らかのケミカル成分が使われています。皮膚科で処方されたステロイドを使いつづけて、酒さ様皮膚炎を発症してしまう人がいます。酒さ様皮膚炎は医療機関でも治療法が確立できていなくて、ひとまず炎症を抑える対処療法的な処置が行われます。改善がみられないとして病院を変えても、同じような治療が行われるだけで、慢性化したり悪化したりして途方に暮れている人が大勢いるのです。精神的に追い詰められて絶望感にうちひしがれ、人に合うのが厭で、うつ症状になってしまう人もあります。治療に関しては日本国内だけでなく、アメリカでも同じような治療が行われているようです。
オーガニックで劇的に改善
つぎに最近の一例をご紹介します。この方は、ぷろろ化粧品のトライアルを初めて使った方で、以前はずっとケミカル化粧品を使いつづけていたそうです。コメントには次のように書かれています。
「ステロイドを1年使用後に酒さ様皮膚炎と診断されました。プロペトと抗生物質を出されましたが、湿疹も一進一退の状態です。抗生物質も飲みたく無いです。初めてのオーガニックコスメになります。焦らず頑張りたいと思います。」(広島県、46歳、C.Mさん)
そして天然成分100%のぷろろ化粧品を使いはじめて2か月半経ったとき、次のようなコメントをいただきました。
『酒さ様皮膚炎も最近は赤みもぶつぶつも出なくなりました。頬のごわつきは残っておりますが見た目は良くなりました。一時はこの世の終わりのような絶望感でしたが、ぷろろさんの化粧品に助けていただき感謝しています。皮膚科の塗り薬の怖さを思い知りました。酒さ様皮膚炎で悩んでいる方にぷろろを知っていただきたいと思います。これからも宜しくお願いいたします。』(原文のまま)
これはぷろろ化粧品で治ったのではなく、悪化させる化粧品を中止したことが大きいのです。中止しただけでは乾燥するので保湿が必要です。そこで天然成分100%のぷろろ化粧品が、肌を刺激することなく保湿したのです。
油と水の境界面を溶かす合成界面活性剤
ケミカル化粧品に使用される合成成分が、肌に対してどのように作用するかはいまや明白です。まず浸透剤や洗浄剤として使われるさまざまな合成界面活性剤が、本来は混じりあわない油と水の境界面を溶かして混ぜ合わせる性質によって、簡単に水で溶けるようになります。これを肌につけるとどうなるか。水と油の層が積み重なってできているバリア機能が破壊されるのです。これは肌の構造の知識がある人なら容易にわかることです。その作用がたとえ微弱であっても長期間の使用で、体内に蓄積して肌のタンパク質を徐々に変成し、肌を溶かして薄い肌になっていきます。すると水分保持ができなくなり、バリア機能が破壊されて、水分はどんどん蒸発し、外部のアレルギー物質の侵入を許し、炎症を引き起こすようになります。
つけた瞬間のつけ心地や効果で安全性はわからない
化粧品の宣伝にはよく登場する女優さんが、塗るだけで簡単に美しくなるという宣伝をみて、つい手が伸びるのは仕方のないことです。うまくイメージさえつくり出せれば、中身は同じものでも魅力的に見せることができてしまいます。そして、高い利益率を確保できるのが化粧品だといわれているのです。このためさまざまな業種の企業が化粧品に参入し、いまや新しい美容成分をうたう商品が巷に氾濫しているのが現状です。こような商品を並べて「合成界面活性剤」の質と量を比較し、つけた瞬間のつけ心地や効果の優劣を論じているものが多く、安全面ではあまり意味がありません。問題は10年、20年と使いつづけた時間軸でどうなるかが問題なのです。それでなければ何の助けにもならないのです。
自然界に存在しない合成成分
一般論として美容化学者の意見というのは、つけた直後の刺激や安全性のみで評価が行われ、合成化学成分に対して寛容です。実験室での実験と同じく、時間軸の概念がないのです。これでは本当の安全性の評価にはならないのではないでしょうか。合成成分は、高温高圧のもとで化学合成され、自然界には存在しない物質を作りだします。たとえば、石油原料から作られた合成界面活性剤の分子構造の一部を、今日では植物原料に置き換えることもでき、これを「植物由来」とうたうこともできてしまいます。しかしその成分の性質は、自然界に存在しないもので、肌は分解することができません。すると微量ずつでも体内に蓄積していき、気づかないうちに肌のタンパク質を徐々に溶かして薄くしていきます。すると保水力のない肌になっていきます。10年も、20年以上もたって気づいたときは手遅れです。その治療と修復のために、当事者はどれほどの苦労と困難を強いられるか、前出の事例からもわかるとおりです。
高温高圧下で作られる合成成分
長期のテストは人体実験か
酒さ様皮膚炎になると、保湿はしないように指導され、ステロイドやドクターズコスメを処方され、慢性化して苦しんでいる人が大勢います。とりあえず炎症を抑え込む対処療法です。やがてどうにもならないほど悪化して、人生の希望までも失うような事態になっているのです。これは長期の時間軸でのリスク評価が欠落していることに起因しています。
化粧品の新成分は、数か月から数年ていどのテストののち、製品となって世に出ていきます。短期のテストしか行われていないので、長期の影響については、女性の顔に塗ってもらって、人体実験をしているのと同じことです。その犠牲者が酒さであり、酒さ様皮膚炎なのです。人体実験ならば、営利商品として売るだけでなく、この予想される事態に対して何らかの対応策がなければならないのですが、何の対応もないのが現状です。
世紀単位の時間軸で安全性が証明されている天然成分
安全であるかどうかの評価は非常に重要なのです。食べものであれ、肌につけるものであれ、自然界に存在しない合成成分は、本来、体内に取り込んではならないものです。人の体はホルモンの作用などきわめて精巧にできているので、機能を狂わせてしまう可能性があります。ハーブや白樺樹液のような天然原料は、何百年も何千年も人類が使いつづけ、伝承してきたものであれば、世紀単位の時間軸で安全性が証明されていることになります。少なくとも、肌トラブルを発症している人のスキンケアは、そうした天然成分100%の安全な商品で保湿をすることが大事なのです。それが症状の脱却にもっとも重要で早道なのです。