新型の栄養失調
私たちの体は、食べ物によって作られています。飽食の時代といわれる現代において、食べ過ぎによる肥満など、食事のバランスが偏ることによる新型の栄養失調が指摘されています。偏った食生活がさまざまな病気や成人病を作りだしているのです。若い女性の過剰なダイエット、高齢者の低栄養などがあげられます。とくにタンパク質、食物繊維、ビタミン類、ミネラル類などの不足があります。これらの栄養不足は、体重の減少、筋力低下、骨密度の低下を招き、免疫力の低下で感染症にかかりやすく、女性の月経周期の乱れや冷え性にも関係します。こうした現代の栄養不足を解消するのに、いま59種類もの栄養素を含む「ユーグレナ」が注目されています。
ユーグレナの栄養素
ユーグレナとは、コンブやワカメと同じ藻類の一種です。最大の特徴は、59種類もの栄養素を含み、植物と動物の両方の性質をもつことです。植物のように光合成して栄養素を作り、動物性の栄養素も有しています。青魚に含まれるDHA・EPAは、青魚自らが生合成することはできませんが、ユーグレナ等のプランクトンを捕食して蓄積しているといわれています。このほかユーグレナには、ビタミンやミネラル、身体の元になるアミノ酸など、次のような栄養素が多彩に含まれています。
・α-カロテン、ビタミンB1、ビタミンEなど14種類のビタミン類
・DHA・EPA、オレイン酸、ドコサペンタ塩酸など11種類の不飽和脂肪酸
・バリン、イソロイシン、フェニルアラニンなど18種類のアミノ酸
・マンガン、鉄、亜鉛など9種類のミネラル
・パラミロンやGABAなど7種類のリラックス成分など
からだに大切な野菜、魚、肉などに含まれる59種類もの栄養素を、なんと一度に摂取できるのです。ユーグレナには消化を妨げる細胞壁がないので、効率よく消化できるのも大きな特徴です。
現代の食生活の問題
お腹を満たすだけなら、菓子パンや総菜パン、スイーツやおにぎりなどでも十分です。ところが糖質中心の食事になると、タンパク質不足で筋肉量が減少して脂肪が燃えにくい体になったり、肥満になったりやすいのです。また免疫力の低下で貧血や抜け毛、むくみなどの症状が起こるとされます。またタンパク質十分な肉料理が中心の食事で野菜嫌いになると、ビタミン・ミネラル・食物繊維が不足し、基礎代謝や免疫力の低下を招き、血管や細胞の老化が進みやすくなります。こうした新型栄養失調は、冷え、だるさ、偏頭痛、不定愁訴、便秘、肌荒れ、感染症やがん、アレルギー、生活習慣病などを引き起こすおそれが生じます。
ユーグレナの大量培養に成功
ユーグレナは優れた栄養を含む食品ですが、培養がきわめて難しいとされます。食物連鎖の最下位にあるため、すぐ他の生物の餌になって捕食されてしまうからです。この難題を克服したのが、ユーグレナの社長の出雲充さんでした。東京大学の1年生だった出雲さんは、かつて最貧困国といわれたバングラディシュに、NGO組織のグラミン銀行のインターシップに参加。子供たちが食べるのは大盛ご飯と具なしカレーで、お腹は満たされているものの極端に栄養が偏った食事でした。このため栄養失調の危機に晒されていたのです。
帰国後に、何とか彼らの栄養課題を解決できないかと考え、栄養豊富な微細藻類ユーグレナに出会います。大学の友人に協力を求め、沖縄県石垣島で世界初の屋外大量培養に成功して、2005年にユーグレナ社を創設(のち東証マザーズ、東証プライムに上場)。栄養豊富なユーグレナ入りのクッキーの開発、学校を通じて配付運動を展開し、バングラディシュの子供たちの栄養問題を大きく前進させました。
ユーグレナのクッキーを喜ぶバングラディシュの子供たち
ユーグレナのちから
ユーグレナはこの他にもさまざまな可能性を秘めています。他の生物にはないパラミロンという成分が多く含み、イライラ感や緊張の緩和、睡眠の質を改善する機能性表示食品を取得しています。また表皮角質細胞の細胞増殖を促進し、バリア機能を強化しハリや潤いのある肌作りに影響するコラーゲンを合成するとされます。ユーグレナの油脂からバイオ燃料が開発され、脱炭素化社会を推進する東京都バスの燃料に取り入れられたり、ジェット燃料として政府専用機の燃料にも使用されたりして注目されています。「ユーグレナのちから」は、母乳に多く含まれる健康タンパク質ラクトフェリン、女王バチの食事ローヤルゼリーを加えて、腸まで届く有胞子性乳酸菌により毎日の健康をサポートします。ユーグレナのちからを摂取することで、現代の栄養不足を解消し、病気のない元気な体づくりと皮ふの健康をも保つことができるのです。