アトピーの原因と慢性化
アトピー皮膚炎は、普通の人が反応しない刺激に対して、免疫機能が敏感に反応することで、痒みや発疹があらわれます。異物から身体を守る免疫機能が過剰に働くことで起こる自己免疫疾患のひとつです。寝ていて掻きむしると心が折れそうになるアトピーの辛さや苦しみは、当事者やその家族でなければ理解が難しいかもしれません。アトピーを引き起こすきっかけはいろいろで、子供のころからアトピー体質の人や、大人になってからでる人もあります。その原因には、遺伝的要因、環境・ストレスなどによる体内常在菌のバランスの崩れ、化粧品や日用品による皮ふのバリア機能の破綻など多岐にわたります。いくつかの要因が重なって発症する場合もあります。皮膚科のステロイドの塗り薬に限界を感じている人も多くいます。しかし、日々のスキンケアで効果的に改善する方法があるとしたらどうでしょうか。効果が期待でき、ぜひ試していただきたい方法をご紹介します。
標準治療の3本柱とその限界
皮膚科の標準治療の3本柱は、①入浴と保湿のスキンケア、②炎症を抑える薬物治療、③悪化因子探しと対策の3つです。皮ふを清潔にしてしっかり保湿する、取りあえずステロイド剤で炎症を抑える、悪化因子をみつけてこれを避けるわけです。しかし標準治療で本当によくなるなら、アトピーで苦しむ人はずっと減っているはずです。ところが実際には増加の一途をたどっています。ステロイドの免疫抑制作用で対処療法的に症状を抑え込むことはできても、効果減弱という性質があるので次第に効かなくなります。するとより強いランクのステロイド剤が処方されます。効果に疑問を感じて薬をやめると、強いリバウンド症状に見舞われて辛いので、また使い続けることになります。ステロイドは2週間以上の使用は避けることとされていますが、1年も2年も使いつづけてしまい、改善どころか慢性化し、ステロイド後遺症を発症して苦しむ人が増えています。
辛いアトピー肌
アトピー肌の正しい保湿ケア
普通の人の角質細胞は基底層でうまれて、分裂を繰り返しながらゆっくりと角質層へあがってきますが、アトピー肌では成熟がすすまず、未熟なままの皮ふが上がってきてしまいます。このため皮ふにバリア機能がなく、外からのアレルギー物資がやすやすと侵入し、未成熟で保湿成分がないためあっという間に乾燥がすすみます。乾燥すると肌の皮が剥けて白い粉が吹いたようになり、耐え難い痒みを生じます。細菌にも感染しやすく、炎症がでて肌はしだいに厚ぼったくなり、ザラザラしたごわついた肌になっていきます。
アトピー肌のスキンケアは、まず肌のバリア機能を修復することを目ざすべきです。それにはバリア機能を壊す成分を含んだステロイド剤をや化粧品を直ちに中止することです。ケアとしては、皮ふに付着したアレルギー物質を侵入させないように、落とす必要があります。それには肌に刺激がなく、皮脂を取り過ぎず、しっとり洗い上げる石けんが必要です。ぷろろ白樺石けんは、息子のアトピーに悩んで、何とかその肌に刺激なく使える石けんをと工夫して誕生した商品です。つぎにバリア機能が壊れて乾燥している角質層に、天然成分100%で刺激のない化粧水により水分を補給します。化粧水は朝晩だけでなく乾燥を感じたら臨機応変に補給することが大事です。つけただけだと乾燥してしまうので、水分の蒸発を防ぐために、白樺みつろうクリームでフタをします。この「補う」と「保護する」ステップを保湿といいます。
ドクターズコスメは悪化要因か!?
保湿剤には、原材料や成分ができるだけシンプルなものを選ぶこと。もし合わなかったら、どの成分が合わなかったのか判断しやすいからです。皮膚科では、ワセリンやドクターズコスメが処方されますが、ドクターズコスメは市販のケミカルコスメと大差はありません。ワセリンは精製度が高いので刺激はありませんが、長く使うと皮脂分泌を阻害する懸念があります。ドクターはそもそも薬やケミカル成分に抵抗感ないので普通に処方しますが、アトピー肌では慢性化や悪化要因になります。アトピー肌は水分をつなぎ留めるセラミドの量も極端に少なくなっていて、肌表面でも内側でも保水機能が働かないので、食べ物で補うことも大事です。玄米、こんにゃく、鶏のささみ、サバ、ブリ、カツオ、マグロなど、セラミドの生成に効果がある食材を摂取するようにしましょう。
ヒト幹細胞培養液が皮ふを修復
ここで皮膚科の治療に疲れてしまったという方に、効果的なスキンケアをご提案します。ヒト幹細胞培養液が高濃度配合(5%以上)された化粧品を使うことです。ヒト幹細胞培養液が普通の化粧品と異なるのは、外からつけて補うというより、皮ふ内部の幹細胞に働きかけて細胞の元となる幹細胞を再活性化し、保湿と同時に皮ふを再生することです。ケガした部分につけると創傷治癒効果を発揮し、皮ふの細胞の増殖を促して傷の治りを早めます。ケガや手術で細胞が損壊してしまったところにヒト幹細胞培養液をスプレーすると、自然治癒力が促進され、何もしない場合よりも治療期間が大幅に短縮されたとの報告があります。実際に筆者も手指のケガに試してみて、その効果を実感しています。これはヒト幹細胞培養液が皮ふの基底層の幹細胞を活性化して、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などのタンパク質を生成するようになり、新しい血管をつくって修復を早めるためです。
ヒト幹細胞培養液のぷろろQUEENS美容液
創傷治療効果と再生機能
さらにヒト幹細胞培養液には、マイグレーション効果とよばれる真皮でできたコラーゲンを足場にして、グロースファクター(成長因子や増殖因子)によって刺激された角化細胞が必要な場所に移動し、よりスピーディに表皮ができて傷がふさがるためです。これはいままでの化粧品にはみられない画期的な効果であり、創傷治療に大きく寄与するものです。ヒト幹細胞培養液は、アトピー肌の痒みの原因になる乾燥を防ぐと同時に、皮ふの再生機能が働くことを意味します。ヒト幹細胞培養液を高濃度(5.33%)に配合したぷろろQUEENS美容液は、日本のおもてなし精神を世界に発信する優れた商品として、2022年度のOMOTENASHI Celectionを受賞しました。そもそもヒト幹細胞培養液はヒト由来の成分なので、とても肌なじみがよく、アレルギーも刺激もありません。アトピーが慢性化して悩んでいる方にはぜひ試していただきたい新しいケア方法です。ただ、市販のほとんどのヒト幹細胞化粧品には、たくさんの合成成分が配合されているので、全成分をしっかり確かめて選ぶことが重要です。合成成分を使用している商品は絶対に避ける必要があります。そして一刻もはやく辛いアトピーの症状から脱却し、一歩ずつでも改善に向かうことを心から願うしだいです。