香りは美肌づくりにどう影響するか | ぷろろのオーガニックライフ

香りは美肌づくりにどう影響するか
この記事はだいたい 8 分前後で読めます。

 

香りは化粧品の単なる付録?


化粧品の香りは美肌づくりにあまり関係がないと思っていませんか。よい香りの化粧品にあたるとちょっと得をした気分になるが、それはいわば付録みたいなものだと。いえいえ、香りにはちゃんとした薬効があり、美肌づくりに影響することが明らかになっているのです。香りは自律神経に作用するからです。化粧品に使われる香料には、天然香料と合成香料とがありますが、合成香料には有害なものもあるので注意が必要です。では化粧品の香りは、どんなメカニズムで美容や健康に影響するのでしょうか。

 

香りが作用するメカニズム


香りはれっきとした美容成分です。香水やアロマオイルの香り成分は、鼻の粘膜に付着して脳の大脳辺縁系に信号を伝え、その信号が自律神経を刺激するのです。よい香りは副交感神経に働きかけて心身をリラックスさせ、血流を改善して代謝が上がり、美肌づくりに寄与します。ところが不快な香りは交感神経に働きかけて興奮や緊張を高め、血流を滞らせて老廃物の排泄を停滞させて美肌づくりにブレーキをかけます。化粧品のよい香りは単に心地よいだけではなく、美肌作りに大いに関係するのです。
 
 

美肌づくり

                香りが美肌づくりに影響する

 
 

天然の香りと合成の香りの特徴


香りには天然の香りと合成の香りがあります。天然の香りには、バラやローズマリーのような植物性のものと、麝香のような動物性のものがあります。動物性のものは、ワシントン条約の規制などで、現在ではほぼ皆無になっています。合成香料では、ゲラニオールやアニスアルデヒドなど、石油などから合成されるものと、天然の植物から単離して作られるものがあり、どちらも自然なものではありません。合成香料は匂いが強く持続しつづける特徴があります。デパートの化粧品売り場などに長くいると頭が痛くなったりすることがあります。一方、天然のものは匂いがふんわりとやわらかく、時間の経過とともに香りが薄れていく特徴があります。

合成香料は揮発性の微粒子なので、神経系統に影響をあたえ、ホルモンなどの内分泌異常、精神不安定、アトピーの原因にもなるとされています。ラベルには詳しく表示する義務がなく、末尾に「香料」とだけ表記されることが多いため、成分名はほとんどわかりません。オーガニック化粧品の場合は、ローズマリー油、ラベンダー油、ローズ油などのように、精油を採取した植物名が表記されるのが一般的です。

 

芳香成分の抽出法


バラやハーブを鼻に近づけると、なんともデリケートな芳香に気持ちが安らぐものです。これらの植物に含まれる芳香を採取するには、芳香植物を圧搾してしぼったり、釜に入れて水蒸気で蒸留したりする方法で行われます。圧搾法が自然のまま精油を得るもっともよい方法なのですが、絞りきることができないため効率がわるく、無駄になる部分が多いので価格が高くなります。
水蒸気蒸留法では、水蒸気で植物エキスと一緒に芳香成分を蒸発させ、それを冷やすと二重の層になります。比重の重い植物油はハーブウォーターとして下の方にたまり、比重の軽いエッセンシャルオイル(精油)は上の方に分離されます。
 
 

精油の蒸留

                精油とハーブウォーターが分離する

 
植物油にもある程度の香りが残りますが、芳香の主体は精油に凝縮されます。また効率をあげて芳香成分を取りだし、あるいは高温だと香りがこわれやすいジャスミンなどのデリケートな芳香は、溶剤を用いて芳香成分を吸着させたあと、溶剤だけ飛ばす方法がとられます。これをアブソリュートと呼びます。ただ溶剤の合成成分がわずかに残るため、オーガニック製品には採用されません。           

 

芳香油は医療と結びついていた


昔から香料は、美容目的に芳香植物を燃やしたり、煙を吸ったり、直接体に当てるなどして、病気を癒すための医薬品としても使われていました。現代のアロママッサージでは、単体の精油やブレンドしたアロマオイルなどの芳香油を使って、皮ふから体に浸みこませ、心身をリフレッシュさせる療法が用いられます。芳香油は毛細血管に入って体の各所に運ばれ、薬として働くため、医療と結びついています。このように香りは健康と美容に直接影響します。たんに香りを整えるだけでなく、炎症や吹き出物を改善したり、肌を若々しくしたり、シワを薄くするなどの美容効果にも用いられます。

 

ブレンドされる海外ブランド香水


空港のショッピングセンターで売られている海外のブランド香水や精油は、合成香料と天然香料をブレンドしたものがほとんどです。天然の精油だけでは、都会的なセンスの香りがつくれないとして、調香師によってさまざまなブレンドが行われています。これらの香水は強い匂いが持続しますが、天然の香料は香りが比較的早く減衰し、つけた直後の芳香は時間とともに薄まって、やがて消えていきます。美容と健康によい香りとは、そうした自然のバラやハーブなどの植物から採取される香料なのです。化粧品の香りを選ぶときは、なるべく合成香料ではなく、天然のエッセンシャルオイル(精油)のものを選ぶようにしましょう。

 

麝香(じゃこう)と超ド級の香木「蘭奢待(らんじゃたい)」


化粧品の香料とは少し離れますが、香りといえば麝香(じゃこう)や究極の香木ともいわれる蘭奢待(らんじゃたい)があります。麝香はインドや中国のジャコウジカから採取される香り成分で、有史以前から薫香や香油、薬などに用いられていたようです。甘く粉っぽい香りで、香水の香りを長く持続させる効果があり、香水の素材として極めて重要なものでした。現在は絶滅のおそれがあることから、ワシントン条約により商業目的の国際取引は禁止されています。蘭奢待(らんじゃたい)とはベトナムなどにごく稀に産する伽羅(きゃら)という樹木のことです。
 
 

蘭奢待
              蘭奢待・切り取った跡に付箋がついている

 
蘭奢待(らんじゃたい)の文字には東大寺という文字が織り込まれており、天皇家の所有で奈良の正倉院に保管されています。えもいわれぬ芳香を放つとされ、国宝を超える御物と呼ばれており、歴史上の権力者である織田信長、足利義政、明治天皇がその一部を切り取ったとされ、その跡が印されています。全長156センチ、重量11.6キログラムもあります。約1200年たった今も素晴らしい芳香を放っているといわれています。香りがいかに珍重され、美肌づくりに影響し、高貴な人々をも魅了してきたことを示すものです。

≫⇒白樺化粧品の通販サイトはコチラ

≫⇒白樺ドリンク(ホワイトバーチウォーター)の通販サイトはコチラ

Wrote this article この記事を書いた人

TOPへ