乾燥やシミ・くすみの原因
素肌は化粧品、食事、環境などその人を取り巻くさまざまな要因を反映する鏡であるともいわれています。なので肌トラブルの改善には、さまざまな要因を全体的に見直す必要があります。なかでも直接的な要因は、化粧品に使われる合成成分です。20代からスキンケアを始める多くの女性が、30代に差し掛かかったころから乾燥肌、敏感肌を感じるようになります。これらの悩みは、肌が本来もっている働きが失われることで、さまざまな兆候となって現れます。その間、肌は合成成分に浸された状態になっており、臨界に達して、乾燥やシミ、くすみなどみが急増するのです。もし肌が本来の健康を取り戻せるなら、シミやくすみ、乾燥肌や敏感肌などの悩みはおのずと解消するはずです。
深刻な肌トラブルを改善するために
肌トラブルの改善には、まず合成成分の化粧品を使わないことです。つぎに天然成分100%のオーガニックなスキンケアに徹することです。さらに水や大気など環境からの汚染物質を体内に取り入れないことです。食べ物では、農薬や化学肥料で栽培された野菜、食品添加物を使った食品を摂取しないようにします。ただ現実問題として、食品をすべてオーガニック栽培のものにするのは、現代ではほぼ不可能です。水や大気などの環境においては、水道水には浄水器を取り付け、化学工場の煙など極度に空気が汚染された地域からは離れて住むことです。現代社会では、化学物質から完全に遮断された生活は不可能なので、食品添加物や合成物質を体内に極力取りこまない努力をすることで、深刻な肌トラブルの予防や改善を図ることが肝要です。
乾燥肌・しみ・くすみの原因
きれいな肌になろうとして使う化粧品が、慢性的な肌トラルの原因になってしまうのは怖いことでます。近年、乾燥肌や敏感肌に悩む人が急増していますが、大きな原因の一つは化粧品に配合されている合成成分が肌のバリア機能を破壊し、肌本来の機能を阻害するためです。合成成分には、合成界面活性剤、合成防腐剤、合成油剤、合成香料、合成色素、合成溶剤のほか、合成キレート剤、紫外線防止剤などたくさんありますが、それぞれ肌本来の働きを阻害する要因になる可能性があります。とくに合成界面活性剤は肌に浸透しやすい性質があるため、ほかの合成成分まで一緒に引き連れて肌の奥まで運びこんでしまいます。またタンパク質に付着して変性させる性質があり、肌細胞がフケのようになって剥がれ落ち、肌のターンオーバーが通常より早く繰り返されて、肌全体が薄くなっていきます。このため保湿機能が弱まり、乾燥肌になって、シワができやすい肌になります。さらに真皮の下の毛細血管に侵入し、血流にのって体内の臓器に運ばれ、活性酸素を発生して細胞を傷つけ、病気の原因になる可能性が指摘されています。また合成成分は自然界に存在しないので、体内で分解できず、微量であっても長い年月には蓄積し、素肌に大きなダメージを与えます。
アンチエイジング化粧品が逆効果になる可能性
化粧品の合成成分は、アンチエイジングという視点からも、おおきなマイナス要因になります。アンチエイジング化粧品に含まれる合成成分は、肌のバリア機能を失わせ、シミやくすみがどっと出てくるという、大きな矛盾をはらんでいます。お肌の曲がり角などと年齢のせいにされがちですが、むしろ肌のバリア機能が損傷したことが原因だからです。すると化粧品に依存しなければ維持できない肌になっていきます。乾燥肌、敏感肌、シミやくすみやシワなどの肌トラブルは、個別に存在するのではなく、根っこは一つにつながっています。
肌を酸化させる活性酸素
シミ・くすみなどの肌老化の悩みは、別の視点からみると、体のさびつき、酸化が原因です。酸化を促すのは、活性酸素です。呼吸による酸素の2%が活性酸素になるといわれており、加えて食品添加物などの化学物質、紫外線、OA機器からでる電磁波、放射線、ストレスなどが活性酸素を発生させます。活性酸素はほとんどすべての病気にかかわっているといわれています。活性酸素は体内の脂質を酸化させ、過酸化脂質をつくりだし、周りの分子から電子を奪ってどんどん細胞の酸化をひろげていきます。そのダメージが素肌にあらわれたものがくすみであり、シミやしわです。美と健康のためには、いかに活性酸素を抑えるかが大事になります。活性酸素を抑えるのは、酵素、ビタミン類、フラボノイド類、芳香成分などの抗酸化成分です。一部は体内でも作られますが、厳しい自然に生きる植物に多く含有されることから、人間は野菜やハーブなどの植物から抗酸化成分をもらって補っているわけです。白樺樹液の飲用は体内の活性酸素を除去するのに役立ちます。
オーガニック美容法の意義
石油からつくられる合成成分は、一時的に保湿ができても、活性酸素を除去する抗酸化成分を含んでいないので、老化を止めて肌トラブルを根本的に抑える働きを期待することはできません。そのほどんどは保湿、美白、消炎などの一つの効果を目的として使われる単一成分であり、長期的に使用するとかえって肌トラブルの原因になります。合成成分でつくられた化粧品をやめて、天然の抗酸化成分に富んだ複合的な抗酸化成分をもつ美容植物でつくられたオーガニック化粧品を使う意義がここにあります。食べ物も食品添加物や残留農薬の少ない有機栽培の抗酸化成分を多く含むものを摂取するように努めることです。できるかぎり化学物質を使わない生活をこころがけると同時に、質のよい睡眠や気分を軽やかにする瞑想などはストレスを軽減し、体内の活性酸素を減らすことにつながります。化粧品は食べ物と同じと考えることが大事です。オーガニックな美容法では、健康な食べ物とともに、つねに自然に沿うものかどうか、自らを振り返ることが大事といえます。