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しだいに効きが悪くなるステロイド
アトピーや酒さなどで皮膚科を受診すると、ほぼ例外なくステロイドや抗生物質が処方されます。抗炎症作用によって、すぐに症状が沈静します。しかし安心しているとすぐによくなったり悪くなったり一進一退を繰り返すようになり、薬の効きが徐々に悪くなって、しだいに強めのステロイド剤が処方されるようになります。ステロイドの効きがわるくなる現象を効果減弱と呼んでいます。その後も症状は思うように改善せず、むしろ慢性化していきます。このため使用する量や頻度もふえていき、ステロイドへの依存度が強まっていきます。不安になって別の皮膚科を受診すると、ステロイドの副作用による酒さ様皮膚炎であると診断されます。いまこうした酒さ様皮膚炎に悩む人が想像を超えてすごい勢いでふえています。
ステロイドは一時的な対処療法
アレルギーは外からの異物に対する免疫の過剰反応なので、抗炎症作用のあるステロイド剤や抗生物質を使えば免疫を抑制して症状を抑えることができます。しかし、炎症を根治しているのではなく、対処療法で一時的に抑え込んでいるだけなので、ステロイドを中止すると症状は一気にぶり返します。このため使いつづけてしまい、長期使用につながるのです。やがてステロイドの副作用によって赤みがひろがり、かゆみやニキビのようなブツブツがふえて、酒さ様皮膚炎になります。酒さ様皮膚炎とは、ステロイドの長期使用による副作用なので、ステロイドの使用をすぐに中止しなければなりません。しかしステロイドを中止するのは大変で、何年もかかったり、知らずに何年も使いつづけてしまう人もいます。薬を止めると激しい離脱症状に見舞われるので、使いつづけて慢性化する原因になっています。
使用した期間がリバウンドの長さに影響
皮膚科を変えても処方されるステロイドの種類が少し変わるくらいで、完治への決定打がなく、ずるずると数年が経過してしまうこともあります。酒さ・酒さ様皮膚炎は難治性の疾患とされ、病院でもいまだ治療法が確立できておらず試行錯誤なのです。ステロイドの問題点は、使用した期間が長いほど、後遺症に悩む期間が長引いてしまうことです。たまにしか使っていないから大丈夫という人がありますが、そうではありません。薬の成分は体内で分解できないので、使わない期間があっても薬の成分は蓄積し、影響はリセットされないのです。たとえばある月に延べ２週間使い、翌月にまた１週間使い、翌々月は２週間使ったとすると、たとえ飛び飛びであっも使用期間は累積した５週間になります。つまり使用した累積期間が長ければ長いほど影響が長びき、減薬や断薬によるリバウンド症状に苦しむ期間も長くなるのです。
ホルモンの働きに影響
ステロイドとは、糖や脂肪の代謝系の調節や免疫系の調整をする副腎皮質から分泌される体内の大切なホルモンの一種です。これをを化学的に合成して作ったのが、強力な抗炎症作用・抗アレルギー作用をもつステロイド剤です。このためその作用は炎症の部分に対して働くだけでなく、ホルモンなので体内のほかの器官にも影響し、感染症にかかりやすくなったり高血糖になるなど、深刻な副作用をひき起こすことがあります。どうしても使う必要があって、そうした状態を防ぐためには、なるべく短期間にとどめることが望ましいのです。しかし使用方法を適切に指導する皮膚科は意外に少ないようです。
ステロイド剤は弱いものから強いものまで多数あり、その強さには５段階のランクされています。よく処方されるロコイド軟膏は弱めの第２段階に入っています。連続して使用できる期間は、一般に２週間以内とされており、強いものでは１週間以内とされています。子供の使用期間は大人の半分くらいで、最も強い第５段階のものは使用不可とされています。ステロイド剤のもう一つの問題点は、免疫力を低下させ、また皮ふのバリア機能を破壊することです。
使いつづけると皮膚が薄くなる
ステロイドは強力なものでは３日間、弱いものでも６週間使いつづけると、蛋白異化作用により皮ふが徐々に薄くなり、バリア機能が低下するとされています。このためステロイドで一時的に炎症が収まっても、実際の症状はしだいに悪化していきます。皮ふのバリア機能がこわれると、水分保持能力が低下して一段と乾燥がひどくなり、また外界のアレルギー物質が侵入しやすくなります。今まで使えていた化粧水の成分がアレルギー反応をおこし、肌がピリピリ刺激され、まったく使えなくなったりします。
自然治癒力を高める努力が重要
どうしてもステロイドを使う必要がある場合には、なるべく短期間で減薬ないし断薬して、肌本来のバリア機能が回復するように仕向けることが重要です。それには天然成分100%でつくられたオーガニック化粧品で保湿をすることです。天然成分100%であれば一般的に刺激はないのですが、仮に何らかの刺激を感じるようなら、和製ハーブの黄からすうりを使った化粧水がより安全です。そもそも皮ふ疾患のほとんどは、化粧品やシャンプーに含まれる合成成分を長期使用したり、野菜や食べ物から残留農薬や合成添加物を体内に取り込むことが主な原因と考えられます。安易に即効性を期待して薬や合成成分が配合された化粧品に頼ることをやめ、肌が本来もっている自然治癒力を高める努力をすることで、肌自らの力で治ろうとする環境を整えることが改善への早道なのです。
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proro
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