時代のテンポと化粧品の即効性
ITやスマホの進化で時代のテンポが早くなり、すべてに早さと即効性が求められる傾向が強まっています。化粧品についても同様です。即効性のある化粧品がもてはやされ、それが一度実感できると、さらに新しい化粧品に美しさや効果を期待する心理が働くのは仕方のないことでしょう。しかしその一方で、その化粧品を使いつづけた結果、やがて肌に沁みて使えなくなり、悩んでいる人が増えているのも事実です。即効性を示す化粧品がなぜ肌トラブルを引き起こすのでしょうか。
ターンオーバーの周期
肌の組織が生まれかわるサイクルはおよそ28日とされています。これをターンオーバーと呼んでいます。30歳を過ぎるとそのサイクルは年毎に1日ずつ長くなり、およそ年齢の数だけ日数を要するようになります。40歳なら40日かかる計算です。いくら時代が変わってもこのテンポは変わりません。自然な肌の変化にはターンオーバーが関係するので、時間がかかります。ということは、即効性を示す化粧品は、外部から何らかの強制的な力を加えて肌を変化させていることになります。
ターンオーバーの周期
バリア機能は美容成分もシャットアウト
肌には強固なバリア機能が備わっています。外部から一切の異物が侵入するのを阻止しています。水も油も、細菌やウィルスも、たとえ化粧品の美容成分であろうと、すべて異物としてシャットアウトする機能です。バリア機能は、肌表面の皮脂膜、角質細胞間脂質、天然保湿成分(NMF)の3つから構成されています。角質層の厚みは0.02mmと、サランラップほどの薄いものですが、じつに精緻で強靭な構造をしています。
バリア機能と仕組み
バリア機能がこわれると
もし肌の中に何かを入れようとすれば、注射をするか、バリア機能をこわすしかありません。つまり即効性を示す化粧品がその成分を肌の中に送り込もうとすれば、バリア機能をこわすしかないのです。そのために使われるのが、浸透剤としての合成界面活性剤です。バリア機能を溶かして浸透させるのです。バリア機能がこわれると、素肌はすかすかになり、内部の水分は蒸発して乾燥しやすくなります。また外部から花粉やアレルギー物質などが侵入しやすくなります。このままではまずいので、合成のビニールの薄い膜でフタをするのです。これが肌トラブルを生じる大きな原因になります。
化粧品の役割は皮脂膜を護ること
しかしオーガニック化粧品なら、バリア機能を壊す必要がありません。むしろバリア機能を保護するように作用します。肌を守るということは、皮脂膜を補強し、肌が本来持っている性質を活かしながら強化することです。それにはなるべく肌の成分に近いものでケアする必要があります。バリア機能の最前線を担っているのが皮脂膜です。昔の人は肌のケアに、椿油などの身近な植物を使って皮脂膜を補強し保護してきました。皮脂膜は、常在菌が汗と皮脂をエサにして作りだす最高品質のクリームといわれています。このクリームが肌を艶やかにし、ふっくらと潤いのある肌を保ちます。また脂肪酸が肌を弱酸性に保つことで、悪玉菌の増殖を防いでいます。ところが強い合成洗浄剤などで肌を洗うと、常在菌が一掃され、必要な皮脂膜まで失われてしまいます。水と油が交互に、20層もの層が重なってできている細胞間脂質が溶かされて、バリア機能がこわれるのです。
美しい素肌を維持するには、急激な変化を求めるより、オーガニックなやさしい天然成分で肌の自然治癒力に働きかけ、自然なターンオーバーのテンポを大切にするスキンケアこそ賢明な美肌法といえそうです。
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