化粧品を選ぶとき、どのような基準で選んでいますか?
価格やパッケージ、香りなど人によって選び方は異なります。
けれど多くの方は、視覚や嗅覚などの五感に頼ってしまうことが多いでしょう。
しかし、そのような選び方をしていると「オーガニック」や「無添加」、「植物由来」といった言葉が記載されているだけで、「安全性が高い」と思い込んでしまう場合があります。
なぜこのような言葉を鵜呑みにしてはいけないのか、本当に私たちが安全に使える「オーガニック」とはどのようなものかをご紹介します。
本当の「オーガニック」とは?
化粧品などはできるだけ、肌に優しいもの、安全性が高いものを選びたいですよね。
そう考えると、「オーガニック」「無添加」「植物由来」という言葉は魅力的に響きます。
しかし、なかには「オーガニック」と記載されていても一部の原料だけがオーガニック、という場合もあります。
なかには、化学成分が添加されているもの、化学成分の中に一部だけオーガニックが入っている場合もあるのです。
「無添加」「植物由来」という言葉も同様です。
なぜこのような現状がまかり通っているかというと、
日本においてはオーガニックコスメの規格制度がないためです。
罰則もないので誤解を与えるような表示の化粧品が流通してしまっているのです。
では、何をもって本当の「オーガニック」を見分ければ良いのでしょうか。
成分表示を細かくひとつひとつ見ていくのは、あまり現実的ではありませんよね。
また、それなりの知識を必要とします。
そこでオススメしたい方法は、オーガニック認証があるか否かです。
その認証が与えられている、ということはその機関の基準をクリアしている、ということになるので1つの確かな判断材料になるのです。
世界各国のオーガニックコスメの認証機関
世界共通のオーガニック認証機関はありませんが、各国ではそれぞれが基準を設けてオーガニック認証を行っています。
■ECOCERT
世界で85ヶ国、3万件以上の企業、20万件以上の製品を認証したのがエコサートです。
世界のなかでも厳しい審査基準を持ち、信頼されている認証機関といえます。
※認証基準の一部
- 95%は自然原料であること
- そのなかで植物原料の95%以上は、オーガニック認証基準を満たすようにすること
- 原料や製品に放射線照射は行わない
- 最終製品における動物実験は認めない
■ACO
オーストラリアのなかでも最大のオーガニック認証団体です。
厳しい認定基準を設けているため、世界において信頼性の高さが評価されています。
※認証基準の一部
- 95%以上、オーガニック原料を使用すること
- 残り5%は、認定基準に沿った天然由来の成分を使用すること
- 合成着色料や合成香料、化学品由来の防腐剤、化学肥料など一切の化学合成物質を使用していないこと
■ICEA
イタリアを代表するICEAは、ヨーロッパに数ある有力な認証機関の1つとして知られています。
特徴としてはオーガニックか否かという認証だけでなく、環境に配慮しているか、倫理的であるか否かを厳しくチェックします。
※認証基準の一部
- 石油由来成分、遺伝子組み換えを行った原料、コラーゲンや牛脂など動物由来成分を使用していない
- 自然由来成分が95%以上使用されていること
- 動物実験の禁止
■NaTrue
ドイツのオーガニックコスメ認証機関です。
星の数でオーガニック成分割合を示す、アイテムごとの許容される天然由来成分の配合率などをHPで公開する、など特徴的な規定を設けている団体です。
※認証基準の一部
- 「★★★」では、オーガニック認定成分が95%以上の割合で含まれている
- 「★★」では、オーガニック認定成分が70%~95%未満の割合で含まれている
- 「★」では、オーガニック認定成分が70%未満の割合で含まれている
認証をあえて得ずに、オーガニックを追求する企業も
このような認証機関以外にも、認証を得ていなくても日本のハーブ研究所のように、オーガニックによりこだわっている企業や団体があります。
そのような企業や団体のなかには、上記でご紹介したような世界のオーガニック認証基準を超えた「モアオーガニック」を実践しているものもあります。
農薬や保存料、添加物などケミカル要素を徹底的に排除して作られた、モアオーガニック製品。
このような世界的なオーガニック基準を超える製品も存在するのです。
オーガニックを見極める際は、
・オーガニック認定機関や団体を利用する
・自分が信頼できる成分が配合されているものだけを使用する
・モアオーガニック製品を選ぶ
など、自分ならではのルールを見つけてみてはいかがでしょうか。