細胞間脂質とセラミドの保湿効果 | ぷろろのオーガニックライフ

細胞間脂質とセラミドの保湿効果
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細胞間脂質のラメラ構造

 角質層はサランラップ1枚ほどの厚さで、わずか0.02mmほどしかありません。その極薄な角質層に、油分と水分が交互に10~20もの層をなし、ラメラ構造を形づくっています。層状のラメラ構造が、水と油の層になって交互にあることで、外部からの水は油を、油は水を弾いて通さず、有害物質やアレルギー物質が体内へ侵入しないようにバリア機能が働いています。ラメラ構造が正常であれば、ツヤや透明感、整ったキメ、潤い、ハリが備わった美肌が保たれます。しかしラメラ構造が崩れると、肌は水分を維持できなくなり、バリア機能も弱まってしまいます。
 

細胞間脂質に占めるセラミドの比重

肌の水分は、皮脂膜、角質細胞間脂質、天然保湿成分の3つで保持されています。角質細胞間脂質は、角質層の角質細胞同士の間を埋めている脂質のことです。それが幾重にも重なったサンドイッチ状の規則正しいラメラ構造に並んでいます。スキンケアの基本は保湿であるといわれていますが、中でも水分保持に大きい役割をしているのが角質細胞間脂質で80%もの比重を占めています。よくレンガをつなぐモルタルに例えられる部分です。その脂質はといえば、50%がセラミドという物質でできています。ですからセラミドが水分をつなぎとめるのに大きな役割をしていることがわかります。
セラミドは水分をつなぎとめる親水基と、油分をつなぎとめる親油基の両方をもっていて、水の層と油の層を交互に整然とラメラ構造に並べる作用をしています。その水の層には天然保湿因子(NMF)があるのですが、細胞間脂質と相まって潤いのある肌をつくる役割りをしています。
 
 


 

セラミドを浸透させる化粧品の問題点

しかしセラミドの体内での生成は、加齢や生活の乱れなどによってしだいに減少していきます。また何らかの理由でラメラ構造がこわされると、バリア機能が低下し、水分も蒸発してしまいます。すると肌が乾燥しやすくなり、外部刺激や紫外線の影響を受けやすくなります。このため最近ではセラミドが保湿成分としてクローズアップされ、セラミド入りの化粧品がもてはやされるようになりました。しかしセラミドが化粧品に配合されていれば補えるといったほど単純なものではありません。浸透させるのに、ラメラ構造のバリア機能が邪魔になり、簡単には浸透できないからです。そこで合成界面活性剤などの浸透剤でバリア機能を壊して浸透させています。これが肌トラブルの原因になるのです。

浸透剤を使わなくても浸透させる方法として、成分を微小粒子化するナノテク技術が進んでいますが、これは細胞をもすり抜けて毛細血管に入り込むため、経皮毒になると懸念されています。宣伝では「肌の奥深くまで浸透」などと表現されますが、たったサランラップ1枚ほどのことにすぎません。ラメラ構造のバリア機能とは、それほど頑丈にできているのです。
 

効果が高いのはヒト型セラミド

セラミドには、馬などの天然由来のものや、植物性のもの、化学合成されるもの、酵母から生成されるヒト型セラミドなどの種類があります。このうち人の肌にとって相性がよく、保湿力が高いのはヒト型セラミドといわれるものです。合成されたものは効果が少ないといわれています。セラミドが配合されていればよいのではなく、どのセラミドがどの程度配合されているのか、よく確認する必要があります。

人の肌には11種類のセラミドが存在するといわれています。中でも人の肌で保湿機能が高いのはヒト型セラミドで、それぞれの働きをもつつぎの4種類になります。
・セラミドEOP   (セラミド1、バリア機能をサポート)
・セラミドNS又はNG(セラミド2、水分保持)
・セラミドNP   (セラミド3、水分保持+シワ軽減)
・セラミドAP   (セラミド6Ⅱ、水分保持、ターンオーバー促進、シワ軽減)
 

ラメラ構造を壊す要因

ラメラ構造がこわされる要因には、洗浄剤や化粧品に含まれる合成界面活性剤、保湿成分として使われるPG(プロピルグリコール)などの合成成分、アルコールなどがあります。とくに合成界面活性剤は、油を水に溶かして混ぜてしまう性質があり、ラメラ構造の油と水の層を壊すのです。また洗顔やクレンジングのし過ぎ、喫煙、ストレスから発生する活性酸素、40℃以上の熱い湯に入浴、長時間のプールや海水に浸かること、不眠などもラメラ構造を歪めてしまいます。

セラミドは、細胞間脂質を構成する脂質において大きな比重を占めています。しかし、細胞間脂質が全てセラミドできているわけではありません。コレステロール、遊離脂肪酸など他の成分が50%もあるからです。これらを無視してセラミドさえ補えば、角質細胞間脂質は万全というわけではありません。また最近では、ラメラ構造を備えたセラミドなどが開発されているようですが、それがそのまま細胞間の脂質になるわけではなく、肌の乾燥保護に役立つクリームのようなものと考えたほうがよいでしょう。セラミドに頼りすぎるのでなく、ラメラ構造が壊されないようなスキンケアで、ターンオーバーがしっかり行われて、肌自らが育つような肌環境を整えることが大事といえそうです。
 

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