食べられる化粧品とは
あなたの化粧品は食べられますか。たしかに化粧品は食べ物ではありません。しかし、皮ふにつけて体の中に入っていくものです。体に入るかぎり、それは体の一部になるので、食べ物と同じくらい安全でなければなりません。ところが植物とは異なり、石油から作られる化粧品の成分には毒性があるので、食べることはできません。この毒性のため、化粧品に使う場合の配合量に国の規制がかけられています。一方、植物から作られる真正なオーガニック化粧品であれば、かりに食べても基本的に害がありません。この差が美容と健康に大きく影響します。
原因不明の皮ふ疾患が増えている
さいきん乾燥がひどく、敏感肌なので肌に何もつけられないという人が非常に増えています。皮膚が赤くなったり、ニキビや吹き出物など肌荒れして、化粧水をすると肌がピリピリ刺激されるのです。皮膚科を受診すると「酒さ」や「酒さ様皮膚炎」などと診断され、化粧品を使わないように指導されます。そして、処方されたステロイド剤やワセリンだけを塗って乾燥をしのぎ、じっと耐えて改善をまつといった状態なのです。肌の内部は乾燥しきっていて、本来は保湿が必須なのに、いっさいの保湿が禁止されてしまうのです。なにが原因なのか医師もわかっていないので正しい処置ができず、5年も10年も改善しないまま悩みつづけている人もいます。
原因は化粧品に含まれる合成成分
その原因のほとんどといってよいほど、化粧品に含まれる合成成分です。とりわけ石油を原料にしたケミカル化粧品を長く使っている人に起きやすいのです。症状が現れるまでに10年も20年もかかるので、化粧品のせいだと理解できる人は、医師を含めてほとんどいません。しかしその圧倒的多数が女性であり、化粧をしない男性にはほとんどみられないのです。
また、自分はオーガニック化粧品を使っているから関係ないと思っている人もいます。ところがオーガニック化粧品であっても、そのほとんどに防腐剤や保湿剤、キレート剤などの合成成分が使われています。合成成分は肌のバリア機能をゆっくりと破壊し、長い年月をかけて皮ふのタンパク質を溶かして薄くしていくので、化粧品が原因だとは気づかず、化粧品が合わなくなったと思うのです。毛細血管が透けて見えるようになり、ちょっとした刺激にも反応します。水分をためる能力が失われてきて、しだいに乾燥肌になります。バリア機能がなくなった肌は、単に乾燥だけでなく、有害なアレルギー物質などが肌に自由に出入りして肌荒れを起こすようになります。
安全性テストのあとは生体実験
化粧品の新成分がつぎつぎに開発され、思わず手をのばしたくなるような魅惑的な効果が、ネットでも女性雑誌でもアピールされています。それらの新成分は短時日の安全性テストをしただけで、商品として市場に出ていきます。しかしその化粧品を使うのは、10年、15年という長い年月なので、その間にどんな影響が現れるか、誰にもわかりません。「もしお肌に合わないときは使用を中止してください」という注意書きがあるだけで、あとは消費者が自分の肌で生体実験をしているようなものです。その結果、原因不明の皮ふ疾患が増加しているのです。食べられない化粧品を肌に塗りつづけたことへの、肌の抗議ともいえるでしょう。
食品と同じ感覚の安全な化粧粧品
では食べられるオーガニック化粧品はどんなものなのでしょうか。それは人類が何世紀にもわたって使いつづけ、安全性を確認してきたハーブや植物オイルなどの有用な原料を使用したもので、食物とおなじ感覚で作られているものです。それ自体が抗酸化力をもち、防腐効果や抗菌効果を発揮する原料なのです。合成成分のような強い殺菌効果はないので、ものによっては冷蔵庫保存が必要になります。
たしかにそれは少し面倒かもしれません。しかし、食べ物を冷蔵庫にしまうのを面倒だと思う人はいません。合成防腐剤は高い殺菌作用をもつため、肌の大切な表皮常在菌まで殺してしまいます。使うたびに、注射のときのアルコール消毒と同じく、善玉菌まで一掃してしまいます。開封して放置しておいても、1年も2年も腐敗しない化粧品こそ、異常だと気づくべきではないでょうか。化粧品は天然100%で食べられるものであることが安全の証なのです。