肌の防護機能を目覚めさせないスキンケアを | ぷろろのオーガニックライフ

肌の防護機能を目覚めさせないスキンケアを
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雪だるま

外に向かう一方通行の皮ふ

 
表皮細胞は、基底層で生まれ、有棘層、顆粒層、角質層へと押しあげられ、最後はアカになってはがれ落ちて生涯を終えます。つねに一方通行で、内側から外に向かい、不要な角質、汗や皮脂、有害な金属を排出するするように働いています。また肌は外からの異物や紫外線を体内に侵入させないように、皮脂膜、細胞間脂質、メラニンなどで固く防護しています。侵入しようとすれば、防護機能が働いて排除しようとアレルギー反応を引き起こします。これはスキンケアを考えるうえで、とても重要なことです。
 

表皮の神秘的なメカニズム

ところが現代の化粧品は、これに逆らうように、肌の奥へ奥へと成分を浸透させようとしています。これは肌の生理に対して、はたしてどうなのでしようか。肌は表皮の厚みがわずか0.2mmほどしかありません。この薄い肌には、驚くべき神秘的なメカニズムが組み込まれています。健康な肌を保つためには、その仕組みを理解しておくことがとても重要です。これを無視したスキンケアが、肌トラブルの原因になるからです。

表皮細胞は、毛細血管から栄養素や酸素をうけとる基底層で生まれ、有棘層へと押しあげられます。基底層は表皮の土台となる真皮を守る働きをしながら、紫外線から体を守るメラニンの生成もになっています。表皮細胞は有棘層でふっくらと育ち、異物から体を守るランゲルハンス細胞も備わります。これがさらに押しあげられると、やや平べったい顆粒細胞になり、紫外線を反射する機能も備わり、肌に透明感を与えます。
 

保湿とバリアの仕組み

ここで肌の保湿因子のもとになる物質がつくられます。細胞のケラチンを角化させ、細胞の核がなくなって細胞は死に、外の刺激から肌を守るレンガ状の角質細胞に変化します。同時にアミノ酸に分解されて水分を抱える天然保湿因子NMFがつくられ、細胞と細胞の間をうずめる細胞間脂質もここでつくられます。この中のセラミドは潤いを抱える油分で、細胞をつなぐセメントの役割もします。角質細胞は、潤いを保持する機能を備えるのです。皮脂膜には表皮常在菌とよぶ善玉菌が無数に住んでいます。常在菌は皮脂と汗をエサにして最高級のクリームをつくり、肌の表面を弱酸性に保ち、アルカリを好む悪玉菌の増殖を抑えています。ところが洗顔やクレンジングで皮脂を取りすぎたり、化粧品の化学成分で常在菌がいなくなると、黄色ぶどう球菌やアクネ菌などの悪玉菌がはびこり、肌トラブルをひき起こす原因になります。
 
 

しっとり

 

化粧品は肌の仕組みにどう働くか

この表皮の誕生からアカになって排出されるまでの一連の変化をターンオーバーと呼んでいます。その周期は年齢や人によって差異が大きく、最短で28日、30歳からは年の数を一つずつ加えた日数がおおむねの周期とされています。化粧品はこのような肌の仕組みにどう働くのか、肌のメカニズムに順応するのか、逆らうかで正反対に動きます。防御機能を打ち破って栄養分を送り込もうとすれば、肌は生理的に反応して、アレルギー反応を起こします。たとえ微弱でも、積み重なると肌がしだいに敏感になり、あるとき突然強い刺激を感じるようになったりします。
 

肌の整理を狂わせる浸透剤

テクノロジーを駆使した現代のスキンケアは、いかに肌の奥深くまで有効成分を浸透させるかを競っています。そのため肌のバリアを打ち破る必要があり、有害な浸透剤が使われ、肌の生理機能を破壊します。するとアレルギー物質も肌にフリーパスで入るようになり、水分は蒸発して乾燥肌がすすんでいきます。乾燥させないように合成ポリマーで肌の表面をビニールの膜で覆うため、皮脂の正常な分泌が狂って、脂性肌や混合肌につながります。浸透剤を使わない微細なナノ化された化粧品成分も登場していますが、これはバリアをかいくぐって侵入させるもので、肌にとっては小さな悪魔です。
 

防護機能を目覚めさせないスキンケアとは

このような肌の生理に逆らうスキンケアは、平穏な肌の防護機能を目覚めさせ、波立たせてしまいます。肌の仕組みは、こうした侵入者に必死に抵抗して肌を守ろうと、免疫反応が働いてアレルギーを引き起こすのです。

肌の防護機能を目覚めさせないスキンケア、それがもっとも肌にとってやさしいスキンケアです。本来の機能がちゃんと働く肌をめざし、肌自身の力を引き出すことが大切なのです。それを実現しているのが、昔から使われて安全が確かめられている、天然成分だけでつくられたオーガニック化粧品です。さて、あなたのスキンケアは、肌の働きに対してどちらに働いているでしょうか。
 

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