強いクレンジングの繰り返しが乾燥肌に
クレンジングや洗顔の間違いが乾燥肌を助長する大きな要因になっています。とくにメイクを落とす強いクレンジングを毎日くり返すことで、肌を守っている皮脂まで洗いながし、バリア機能を果たしている大切な表皮常在菌をそぎ落としたり殺菌してしまっています。これが乾燥肌のはじまりで、乾燥からさまざまな肌トラブルにつながっていきます。どうしてそうなるのか、肌を傷めないクレンジングや洗顔のただしい仕方はどうあるべきか、いま一度しっかり確認しておきましょう。
クレンジング剤が常在菌をそぎ落とす
最近のクレンジング剤には、たくさんの合成成分が使われています。これらの合成成分は、長く使うと、肌のバリア機能を奪ったり壊してしまいます。肌には潤いを保つために皮脂が分泌され、肌の表面に皮脂膜が形成されています。そこには美肌菌ともよばれる無数の表皮常在菌が棲みついています。肌を守っている常在菌の数は1㎝四方に20万個にものぼります。この常在菌は皮脂と汗をエサにしてその分泌物で最良のクリームをつくり、肌の表面を弱酸性に保って、悪玉菌の増殖を抑えています。悪玉菌はアルカリ性を好むので、弱酸性の常在菌が健在ならのさばることができません。ところがクレンジングや洗顔で常在菌が失われると、悪玉菌が増殖して肌を荒らしてしまいます。ですからクレンジングや洗顔で皮脂を取りすぎたり、常在菌をそぎ落として死滅させるようなやり方は避けなければなりません。
よいことづくめのクレンジング剤?
クレンジング剤や洗顔料にはさまざまな種類があります。単にメイクを落とすだけでなく、潤いを与え、透明感を与え、エイジングケアまですると謳っているものがあります。ウォータープルーフのマスカラ、アイライナー、口紅などを、のせた瞬間になじんで、力を入れることなくオフできると宣伝されています。美肌の働きをする有用な植物エキスの説明もあり、メーク浮きが早くて洗浄力は抜群、すっきり流せるなど、よいことづくめです。メークオフしながらうるおいを与え、エイジングケアや保湿ケアもしてくれるという美容液さながらで手品のようです。思わず手がのびてしまいそうですが、でもちょっと待ってください。まず全成分をよくみてみましょう。
植物エキスは合成成分に混ぜると効果が半減します
全成分を必ずチェックしよう
使い心地をよくするために、いろんな合成成分が入っています。もし全成分の表示がない商品だったらパスしましょう。なぜなら、全成分を表示すると不都合な成分が入っている可能性があるからです。合成成分は肌のバリア機能をこわし、大切な常在菌を殺菌して一掃してしまいます。全成分は商品に記載すればよい決まりですが、広告に全成分が書かれていなければ、消費者は事前にチェックすることができません。たとえ返金保証がついていても、使い心地さえよくしておけば、開封してから実際に返金を求める人は皆無にちかいことがわかっています。クレンジング剤はメイクを浮かせて落とすのが目的ですが、さまざまな機能をもたせるために配合される合成成分が、長く使うあいだに肌を傷めてしまうのです。
クレンジングと洗顔の基本
ではどうするのがよいのでしょうか。まずメイクを落としには、ホホバオイルのような良質なオイルでなじませてから洗い流すのです。メイクを浮かせたら、石けんをぬるま湯でよく泡立てて洗顔をします。洗顔はなるべく指先が肌に触れないように、手のひらの泡を肌に数回押しつけて、滑らせるようにしながら洗います。石けんのきめ細かい弾力のある泡は、洗浄するだけでなく、手が直接肌にふれないためでもあるのです。泡を数回押しつけると、毛穴の汚れや角栓、古くなった皮脂が吸い出されて浮いてきます。けっして手でこすらないように注意します。そしてぬるま湯を手ですくって、顔に5,6回掛けて洗いながします。メイクも石けんで落ちるものに変えられるなら、クレンジングで肌に負担をかけないですみます。
肌にやさしい石けん選び
石けんも界面活性剤の一種ですが、古来からつかわれてきた天然成分で安全なものです。皮脂などの油分にふれるとすぐに活性を失い分解する無害なものです。合成界面活性剤のようにいつまでも肌にのこって肌に負担をかけ、バリア機能を破壊する心配がありません。必要な皮脂を取りすぎたり、常在菌を根こそぎ削ぎおとしてしまう心配もなく、洗い上がりもしっとりするはずです。もし突っぱるようなら、それは石けんの洗浄力が強すぎるので、肌にマイルドな石けんに変える必要があります。ぷろろ白樺石けんなら強すぎず、弱すぎず、理想的につくられています。もし肌トラブルがあって心配なら、より刺激の少ない赤ちゃん用の石けんがよいでしょう。
洗顔は朝晩2回が原則
洗顔は朝晩の2回行うのが原則です。夜はメークを落としたあとの洗顔、朝は洗顔だけにします。ぬるま湯の方が汚れが浮きやすく、肌に与える負担も少なくてすみます。ただし湯が熱すぎると大切な皮脂が溶けて流れだしてしまうので、30~34℃くらいのぬるめが適温です。水洗顔は肌をひきしめるので、毛穴がしまって汚れがとれにくくなる懸念があります。また朝洗顔は、寝ている間に分泌された余分な皮脂や汚れを洗い流す必要があるためです。肌トラブルがあるので水洗顔だけという方がありますが、毛穴にたまって酸化した皮脂や雑菌をつけたままにしておくと、かえって症状を悪化させる原因になります。やさしい石けんでそっと汚れや有害物質を取りのぞいて、清潔にしておくことが大事です。洗顔の善し悪しは、その後の水分補給や保湿にも影響することを理解しておく必要があります。