自然のメカニズムに反するスキンケアが肌トラブルを生む | ぷろろのオーガニックライフ

自然のメカニズムに反するスキンケアが肌トラブルを生む
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花

浸透するスキンケアが肌トラブルを生む

表皮は厚みがたった0.2mmしかありません。その薄い肌ですが、じつに神秘的な仕組みがぎっしり詰まっています。その精巧な仕組みは驚くばかりですが、外へ外へと細胞を排出しています。この生理のメカニズムが正常に機能するように手助けするのが、正しいスキンケアのあり方です。ところが現代のスキンケアは、この本質に反して、なにかと化学成分を肌に浸透させる対処療法が主流になり、その結果、どんどん肌トラブルを増加させています。肌トラブルの多くは化粧品を使いはじめてすぐには現れないので因果関係に気づかず、10年くらいたったころに現れることが多いのが厄介なところです。
 

ターンオーバーの神秘的な仕組み

肌は驚くほど神秘に満ちた仕組みでできています。肌細胞は毛細血管から栄養素と酸素をうけとり、基底層でつぎつぎに生み出され、有棘層、顆粒層、角質層へと外に向かって押しあげられます。有棘層でふっくらと育った細胞は、やや平べったい形の顆粒層へと押し上げられ、肌に透明感を与えます。顆粒層からさらに押しあげられて水分を保持し、刺激から肌を守る角質細胞に変わります。この角質細胞はやがてアカになってはがれ落ちてその生涯を終えます。この循環をターンオーバーと呼んでいます。年齢とともに肌細胞は誕生からはがれ落ちるまでのサイクルが28日から45日くらいまでにのびていきます。このターンオーバーが遅れると、シミやくすみがはがれ落ちずに沈着することがあります。また肌が薄くなると未熟な角質細胞ができ、肌トラブルの原因になります。ターンオーバーを正常に導くには、白樺樹液が役立ちます。白樺樹液を水の代わりに使った化粧水や、樹液ドリンクを飲用すると効果的です。
 

表皮構造

 

バリア機能と保湿を担う仕組み

メラノサイトは有棘層にあってメラニンをつくり、細胞を紫外線からまもる働きをします。異物から体を守るランゲルハンス細胞もここにあり、大切なバリア機能を果たします。顆粒層へと変化する過程で、細胞内部に肌の保湿因子となる物質がつくられ、角化の進展で丈夫なレンガ状の角質細胞に変化します。ここでアミノ酸に分解され天然保湿因子NMFができ、また細胞と細胞の間をうずめる角質細胞間脂質もつくられます。セラミドなどの潤いを与える油分は、レンガ同士をくっつけるセメントの役割をし、細胞の内側にも天然保湿因子NMFをつくります。水分を抱え込むことで、角質細胞も潤いを保持します。
 

肌は外部からの異物を侵入阻止する

肌の重要な使命は、外から異物が侵入するのを防ぎ、肌を守ることです。皮脂膜や角質細胞間脂質、細胞膜のように油と水の層が何重にも重なり、外部から異物の侵入を固く防いでいます。このバリア機能のおかげで、私たちはお風呂や海に浸かっても、水ぶくれにならないのです。ただアロマオイルのような天然のエッセンシャルオイル(精油)は、成分が微細なので肌に浸透して、毛細血管に入り血中に吸収され作用することがわかっています。
 
 

化粧23
 

自然のリズムを壊すテクノロジー

テクノノロジーを駆使した現代のスキンケアは、このような肌の複雑なバリア機能を破壊し、いかに肌奥まで成分を浸透させるかに焦点を当てて競争しています。成分を微細化するナノテクノロジーは、自然のバリアをかいくぐることに成功しましたが、これとてそもそも肌の本質的な生理機能に逆らうものです。美白成分を浸透させてメラニン生成のメカニズムを妨げれば、肌はどうやって紫外線の害を防ぐのでしょうか。乳液や保湿クリーム、保湿美容液など、たくさんの化粧品を塗るのは何の目的でしょうか。肌の基本的な機能がちゃんと働くためには、このようなスキンケアは肌の生理機能に逆行することになります。肌バリアが崩壊する原因はただひとつ、肌にむりやり成分を押し込むためのバリア機能の破壊です。
 

肌自身の力を引き出すスキンケアを

ひとたび肌トラブルが起きると、延々とその悩みとつき合うことになります。自然のメカニズムを整えるスキンケアこそ、改善のスピードや現れ方は人それぞれで結果がでるまでに時間がかかっても、正しいケアといえるのです。それなりの忍耐と努力は覚悟が必要です。しかし、年とともに化粧品のアイテムがふえ、ついにはコスメジプシーに陥ってしまうようなケアでなく、肌自身の力を引きだすスキンケアですから、年齢を重ねても同じケアですむようになります。まだ化粧品がなかった半世紀ほど前までは、人々はこうして美肌を維持してきたのですから。オーガニック愛好者の多くが、現代においてもそのことを実感し証明してくれています。
 

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