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栄養豊かな命の水
北海道にひろく分布する白樺。その白樺から雪解け前に採れる樹液は、水のようにサラサラしてくせがなく、微かな甘みだけで、北方圏の国々やアイヌの間で健康によいとして千年も愛飲されてきました。春先に１ヵ月しか採れない、栄養豊かな命の水です。いま海外ではセレブやモデルの間でホワイトバーチウォーターと呼ばれて、その美容効果が期待され、ひそかなブームになっているといいます。その魅力の正体とはなんでしょうか。
有害な活性酸素を消去する
白樺樹液は、昔から生活習慣病によいとされ、民間療法に役立てられてきました。最近の研究で、活性酸素の親玉とされるスーパーオキシドラジカルアニオンを消去する力があることがわかっています。スーパーオキシドラジカルアニオンとは、活性酸素の中でも強力なもので、過酸化水素や水酸化ラジカルなど他の活性酸素の元になる物質とされ、顔のしわやシミの原因になったり、すい臓、腎臓、肝臓などの細胞を破壊して生活習慣病をひきおこし、老化をすすめてしまう原因になります。これを消去するということは、いわば民間伝承されてきた効能が、科学的に裏づけられつつあるといってもよいわけです。
抗ストレスや耐疲労性も
白樺樹液は、ほぼ1000年も昔から、ロシア、フィンランド、中国北部や韓国などで飲む風習があり、便秘、利尿作用、胃腸病、痛風、リウマチ、関節炎、浮腫、湿疹などに効果があるとされてきました。最近の動物実験により、抗ストレス、耐疲労性でも効果が確認されています。現代人にとって、抗ストレスや耐疲労性、細胞の活性化などは大きな意義があるものです。また火傷をしたとき白樺樹液を塗ると、痛みがピタリと止まり、扁桃腺炎でのどが痛むときに飲むと、痛みが取れて楽になったという報告があります。
白樺樹液は、春の新緑がいっせいに芽吹くために必要な栄養素を、土中深く張った根から選別しながら吸い上げた水分で、それだけミネラルも栄養素も豊富です。大量に飲用しても副作用はないと報告されています。ある時期に限って飲まれてきたのは、保存がきかないためですが、現在は、加熱殺菌して瓶詰めすることで、年間をつうじて利用できます。しかも成分が熱変化しないため、料理など加熱利用が可能なのです。
豊富なミネラルやアミノ酸
白樺樹液の主成分は、ブドウ糖、果糖といった糖分に、ミネラル、アミノ酸などです。ミネラルはカルシウム、カリウムを主成分として、マグネシウム、亜鉛、ケイ素、鉄、リンなど身体に必要な微量ミネラルも多く含んでいます。市販のミネラルウォーターに比べて、ミネラルの量だけでなく、カリウムが豊富でナトリウムがほとんどないなど、生物の細胞内の液体に共通する特徴があります。さらに17種類のアミノ酸、有機酸、たんぱく質、ポリフェノール、配糖体といった有機物も多く含んでいます。虫歯の原因になる砂糖はほとんど含まれず、砂糖が氾濫する現代の食生活に照らしても健康的な飲料といえます。
白樺の免疫効果に脚光
白樺はその幹から、虫歯予防に効果のあるキシリトールの原料のキシランが、樹皮からは抗エイズ剤の原料になるペチュリンが、また葉には抗ヒスタミン効果のある各種フラボノイド配糖体が多く存在するなど、いわば樹木全体が薬の木ともいえるほどです。また白樺の木の数千本に1本しかできないキノコのチャーガがあります。白樺の養分を吸いつくして15年ほどかけて生育しますが、養分を吸い取られて白樺は枯れてしまいます。このチャーガは、ノーベル賞作家のソルジェニーツィンが自らのガンを克服した体験を、長編小説「がん病棟」に著して有名になりました。β-グルカンなどの多糖類が豊富で、抗酸化酵素（SOD）の含有率がアガリスクの23倍ともいわれ、その免疫活性効果の高さが脚光をあびています。
美容効果への期待
白樺には、ビタミンCやタンニン、サポニン、フラボノイドなど、美肌に対して効果的な成分が多く含まれています。また、表皮のターンオーバーに働きかけて新陳代謝を促進し、皮膚の潤いを保持する角層の形成に寄与します。白樺の樹皮や葉、樹液に含まれる様々な成分は、肌を引き締め、柔軟性を保ち、肌を保護し、炎症を抑制して血行をよくし、くすみをなくしたりと、さまざまな美肌効果を発揮します。不要な老廃物を体外に排出することで、肌荒れやむくみを防ぐなどのデトックス効果も期待できます。
さまざまな利用方法
白樺樹液は、まさに話題の高機能ウォーターをはるかに超えるものといえそうです。夏の水分補給に冷やして飲んだり、飲み残しを化粧水として使ったり、コーヒーやお茶に混ぜて飲んだり、自在に使えます。洋酒の割り水にしたり、コーヒーを淹れると、驚くほどまろやかな味になり、二日酔い防止にも定評があります。白樺ドリンクは、ほのかな甘みとさわやかな飲み心地のミネラルウォーターとして、現代人の心身の渇きをいやす最適な飲み物といってよさそうです。
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proro
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