パラベンフリートは
化粧品の変質をふせぐためには防腐剤が必要です。よく使われる防腐剤にパラベンがあります。パラベンは肌荒れや吹き出物、アレルギーやホルモンバランスを崩す一因になるため、厚労省の旧表示指定成分になっていました。このためイメージが悪いので、全成分表示の現在は、パラベンフリーと表示して安全をうたう広告が多くなっています。パラベンのかわりによく使われるのが、旧表示指定成分になかったフェノキシエタノールという成分です。しかし、フェノキシエタノールも刺激や毒性が強く、パラベンに劣らずリスクが大きい成分といえます。
パラベンがバリア機能をこわす
パラベンには、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベンなどの種類があります。パラベンは配合される量が微量なので安全だとする専門家もいます。しかしパラベンは殺菌作用が強力で、微量でも大切な表皮常在菌を殺してしまいます。表皮常在菌は皮脂と汗をエサにして天然のクリームをつくり、肌に有害物質が侵入しないようにガードしています。
常在菌は1㌢四方に20万個もいるとされ、肌表面を弱酸性に保って、アルカリ性を好む悪玉菌の増殖を防ぎ、大気中のアレルギー物質の侵入を阻止しています。この常在菌をパラベンが一掃してしまうと肌はバリア機能をうしない、肌トラブルの原因になります。このためパラベンの配合量は厚労省がきびしく規制しています。しかし総量規制がなく、防腐効果を高めるために類似の成分を複数配合する場合があります。また化粧品は5年、10年と長期にわたって使用するため、成分の一部が臓器に蓄積して、体調不良をひき起こしたり、潰瘍やがんの原因になったりすることがあります。
パラベンフリーの正体
フェノキシエタノールは、旧表示指定成分になかったので、無添加化粧品や自然派化粧品によく使われ、パラベンフリーと表示して安全性をアピールしています。しかしその毒性は、パラベンとほぼ同じで、配合できる量もパラベンと同じ1%以下となっています。咽頭痛や咳、頭痛、喘息がある場合は発作を引き起こすとされています。また揮発性のため、周囲に影響を与えることも懸念されます。さらに不安要因として、パラベンとフェノキシエタノールには、いわゆる環境ホルモンの疑いがもたれていることです。体に入るとホルモンバランスを崩して体調を狂わせるのです。たとえ配合量が微量でも、化粧水や乳液、クリームなどをいくつも重ねづけすることで、その量は倍化していきます。
オーガニックに使われる防腐剤
こうした防腐剤を使わない化粧品はあるのでしょうか。オーガニック化粧品では防腐をどうしているのでしょうか。じつはオーガニック化粧品にとって、防腐をどうするかは大きな課題になっていました。しかし現在では、本物のオーガニックであれば天然の防腐成分を使用することで解決しています。合成防腐剤のように強力な殺菌力がないことが、かえって大切な表皮常在菌の温存につながっています。植物の抗酸化力を利用して、雑菌やアクネ菌の増殖を抑え、保存性を高めているのです。防腐効果のある天然成分としては、ローズマリーエキス、セージエキス、クマザサエキス、グレープフルーツ種子エキス、ヒノキチオール、レイコノストック、天然醸造アルコール(エタノール)などがあります。あなたの化粧品では防腐剤にどんな成分を使っているでしょうか、すぐチェックしてみましょう。
ぷろろの防腐対策
天然成分100%のぷろろ化粧品では、もちろん天然成分のみで防腐しています。化粧水の場合は、ローズマリーやローズヒップなど、ハーブの抗酸化力を利用しています。ローズマリーの防腐効果は、ヨーロッパで鮮魚の輸送に添えられていたことでも証明されています。ローズヒップはビタミンCの爆弾と呼ばれ、豊かなビタミンCが抗酸化力を発揮します。みつろうクリームでは、非常に酸化しにくいホホバオイルをベースに使用しています。
ホホバオイルは強烈な太陽がふりそそぐ砂漠に育つ植物で、主成分はオイルというより、ワックスエステルという酸化につよいろう成分です。みつろうの主成分も、ハチが巣を風雨から守っているワックス成分で、素材そのものが酸化しにくく、開封して一年くらいは常温でも保存できます。化粧水の場合は、防腐力が強くないので、開封後は冷蔵庫保存となります。およそ50~60日ていどが保存の目安です。少し不便でも、食べ物とおなじ感覚での取り扱いとなります。アレルギーや発ガン性などの心配がないだけ、安心して健康な肌をキープできるのです。