キューティクルってなに?
髪の毛を美しく保つための手入れはどのようにすればよいのでしょうか。よくシャンプーやドライヤーのし過ぎは「キューティクルを傷める」といいますが、キューティクルって何でしょうか。髪の毛はそもそもどんな構造になっているのかを知ることで正しい手入れができ、いつまでも美しいつややかな髪を保てるようになります。
髪の毛は三重構造
ツヤのあるサラサラな髪の毛を求めながら、実際は乾燥や傷み、ツヤやコシのないぱさぱさな毛に悩んでいる人か多くいます。その大きな原因はシャンプーなのです。
髪の毛の主成分は10数種類のアミノ酸からなるケラチンという繊維性のたんぱく質からできています。髪の毛を輪切りにしてみると、三重構造になっています。まず中心に角化していない柔らかい細胞の毛髄質があります。その外側には毛皮質という、シスチンを含むケラチン細胞があります。髪のしなやかさや自然なウェーブはここでつくられます。そしていちばん外側に、キューティクルと呼ばれる透明な毛表皮があります。キューティクルは、角化した20枚ほどの層の細胞で、毛髄質や毛皮質をまもる保護膜の役割をしています。
髪の毛の構造
この髪の毛を合成界面活性剤が入ったシャンプーで洗うとたんぱく質をとかし、大切なキューティクルが破壊され、だんだんと消失して乾燥し、細い毛になっていきます。キューティクルの厚さはわずか0.005mmほどしかないので、乱暴に扱うとすぐ傷いてはがれます。油になじみやすく水などをはじく性質があり、髪の毛の中身を守っています。このキューティクルがなくなると髪につやがなくなり、色は茶色っぽく、ふわふわした細い毛になっていきます。キューティクルを傷める原因は、ほかにパーマ、ヘアカラー、ヘアマニキュアなどの合成成分があります。
合成シャンプーが髪に深刻なダメージ
スーパーやドラッグストアで販売している合成シャンプーには、髪を痛める「ラウレス硫酸ナトリウム」「ラウリル硫酸ナトリウム」などの合成界面活性剤や「フェノキシエタノール」のような防腐剤ほか、合成成分がたくさん使われています。これが頭皮に残って皮脂を奪いながらキューティクルを壊し、髪に深刻なダメージを与えます。合成成分で頭皮が乾燥すると、フケやかゆみが生じます。さらに毛根まで壊すため、細毛や抜け毛などの原因になります。し植物エキスを配合した髪にやさしいイメージのシャンプーもがありますが、その効果は混合された合成成分によってほとんど消失しています。合成シャンプーが髪をなめらかにするのは、合成ポリマーが髪をつつみこんで、サラサラ感やツヤ、コシを演出しているためで、実際の髪をどんどん傷ついていきます。いま女性の部分かつらやウィグが流行っているのはその影響もあるのかもしれません。
改善策は石けんシャンプー
この状態を防ぐには、合成成分を使っていない石けんシャンプーを使用することです。石けんシャンプーの全成分をみると、「水」「カリ石けん素地」または「脂肪酸Na」など、きわめてシンプルになっています。固形石けんをよく泡立てて使用しても効果は同じです。ただ洗い上がりがごわつき、きしんだりしますが、リンスを使うことで解消します。石けんならごわついても髪や頭皮を傷めることはありません。ただしリンスは天然成分のオーガニックであること。石けんシャンプーと一緒に売られています。最初にぬるま湯で地肌と髪の汚れをさっと落としてから、石けんシャンプーで洗います。
ごわつきは酢のリンスで解消
石けんシャンプーで洗った髪は弱アルカリ性になるため、キューティクルが開いた状態になり少しごわつくのです。リンスの代わりにチョコ1杯ほどの酢を洗面器一杯のぬるま湯に加えたもので洗えば、髪は弱酸性になり、ごわつきは解消し、すべりとしなやかさをとり戻します。よくすすいでからタオルで水分を切り、低温のドライヤーで風速を弱めにして乾かします。
濡れたままだと、キューティクルが開いたままになり、擦れて髪が傷つきやすいからです。合成シャンプーを石けんシャンプーに変えるだけで、髪はハリとツヤを取り戻し、頭皮と毛根を健康に保ち、抜け毛や細毛を防ぐことができるようになります。キューティクルを失わないヘアケアをすることで、いつまでも美しくしなやかな髪を実現できるのです。