健康を脅かす環境ホルモンの影響 | ぷろろのオーガニックライフ

健康を脅かす環境ホルモンの影響
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環境ホルモンとは

 
「環境ホルモン」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。環境といえば、個人とは関係のない外界のことと考えがちです。ところが環境ホルモンが体内に入ると、本来のホルモンの働きを狂わせて、体調や健康を害してしまうとんでもない物質なのです。環境ホルモンが人間とどうかかわっているのか知っておくことは大事です。
 

ドラム缶のたき火禁止の理由

昔は自宅の庭にドラム缶を置いてたき火をする光景がよくみられたものです。しかし現在は一般人がたき火をすることは禁じられています。たき火の煙から空中に環境ホルモンのダイオキシンが放出されるからです。またPCB(ポリ塩化ビフェニル)の有害性が問題視され、使用禁止になったのはそんなに大昔のことではありません。PCBは石油から合成される油の一種ですが、加熱するとダイオキシンを発生させるのです。1968年にカネミ油症事件というものがありました。健康と美容によいという米ぬか油を食べた九州の人たちが、奇妙な病気に襲われました。全身にひどい吹き出物や、手足のしびれ、大量の目ヤニなどの症状がでたのです。米ぬか油が製造過程で配管部から漏れたダイオキシンに汚染されていたのでした。
 

本来のホルモンと環境ホルモン

除草剤に使われるポリ塩化ジベンゾダイオキシンは、猛毒で知られる発がん性物質です。これが大気や河川に放出されると、巡りめぐって野菜や魚、海水浴などから人の体内に入ってくる可能性があります。本来のホルモンは、体の甲状腺、脳下垂体、副腎皮質などでつくられ、血液によって運ばれ、特定の部位に情報を伝えて体の機能が一定に保たれるようにしています。肝臓や腎臓が働き、寝ている間も呼吸したり心臓が動いているのは、脳の指令をホルモンが各臓器の細胞に伝えているからです。体温、血糖値、血圧などが一定に保たれているのもホルモンの働きです。ところがインベーダーのような環境ホルモンのニセ情報が届けられると、あたかも本物のホルモンと誤って細胞が受け取ってしまい、体の機能が狂って、病気や異常を引き起こしてしまうのです。
 

夢

 

ホルモンの種類と体調調節

ホルモンはナノグラム(10億分の1グラム)というきわめて微量の単位で作用し、ホメオタシスと呼ばれる体の状態を一定の状態に保つ働きをしています。ホルモンは脳の指令を特定の部位の細胞にだけ伝え、そのことを脳にフィードバックします。脳は体の状態を判断して、必要なら新たな指令をだします。指令を伝えるホルモンは、女性ホルモン、男性ホルモン、インスリン、成長ホルモン、アドレナリン、メラトニンなど、およそ70種類ほどがあるといわれています。環境ホルモンは体の中に入ると、あたかもホルモンのような顔をしてニセ情報を伝え、体調を狂わせてしまいます。このため内分泌かく乱物質とも呼ばれています。
 

生殖機能に異常を引き起こす

環境ホルモンの影響は、まず生殖機能に異常を引き起こすといわれています。その結果、精子の数が減少し、不妊や流産、オスのメス化などの現象を引き起こします。卵巣、精巣、脳などにも影響があらわれます。野生動物の生態に異変が生じたり、生殖能力の衰えにより絶滅に瀕したり、逆に発生率が異常に上がったりする現象も確認されています。
 

原因は石油製品と化学物質

原因とされるのは、石油が原料のさまざまな製品や化学物質です。これを燃やすことで発生するダイオキシンです。このため一般家庭でのたき火は禁止になりました。環境に放出された石油由来の化学物質は、哺乳類や鳥類などに異常を引き起こします。現代人は気づかないうちにそうした物質を自然の循環の中で体内に取り込んでいるのです。近年、男性の女性化や、不妊などの現象もこんなところに一因があるのかもしれません。まだ未知なことが多い研究段階ではあるのですが、石油に依存しすぎている現代の生活を見直し、オーガニックなライフスタイルを取り入れるきっかけにしてはいかがでしょうか。
 
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