「私たちの肌には、皮膚常在菌が生息している。」
「え、菌?」と、不安に感じられた方、実はこの皮膚常在菌は健康的な肌のためには必要不可欠な存在なんです。
私たちの肌に皮膚常在菌がいることで、肌を弱酸性に保つ、雑菌を寄せ付けない、病原性微生物の繁殖を抑制する、など肌の状態を整えてくれています。
ただし、ケミカル成分が配合されたスキンケア用品を使うなどすると、肌環境は崩れてしまい菌たちが悪さをし始める可能性があります。
どのように皮膚常在菌と付き合えば、私たちの肌にとって味方となってくれるのでしょうか。
皮膚常在菌とは?
皮膚常在菌は、私たちの皮脂や汗をエサにして生息しています。
その種類は200にもなり、総数は1兆とも言われています。これを大きく分けると「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」の3つになり、それぞれが異なる働きをしているのです。
■善玉菌
皮膚常在菌のなかでもっとも多いのが、善玉菌に分類される菌です。肌にとって嬉しい働きをしてくれるものを指します。
例えば、皮脂をエサにしている表皮ブドウ球菌はその代表格です。
この表皮ブドウ球菌は皮脂を食べることで、肌を弱酸性に保つ脂肪酸と、肌の保湿に役立つグリセリンを作り出します。
このような働きをもつ表皮ブドウ球菌がたくさんいることで、肌は健康な状態に保たれています。
■日和見菌
普段の状態では私たちの肌に役立ってくれているのですが、肌のバランスが崩れてしまうとトラブルを引き起こすのが日和見菌です。
例えば、ニキビの原因となるアクネ菌がこの日和見菌に分類されます。
アクネ菌は普段であれば、表皮ブドウ球菌のように毛穴の奥で、肌を健康的な状態に保つべく働いてくれています。
しかし、ストレスや食生活のバランスが崩れ皮脂が過剰に分泌されてしまうと、アクネ菌はたくさんのエサがあることで増えすぎてしまいます。
するとアクネ菌は皮脂を食べることで作っていた脂肪酸までもが増えすぎて毛穴を詰まらせてしまい、ニキビの原因となる炎症を引き起こしてしまうのです。
■悪玉菌
肌が弱酸性に保たれているとアルカリ性好みの悪玉菌は活発に活動できません。
しかし、肌環境が崩れてアルカリ性に傾いてしまうと、黄色ブドウ球菌などの悪玉菌が増殖してしまいます。
それにより、痒みや炎症を引き起こしさまざまな肌トラブルを招く原因となってしまうのです。
善玉菌が元気に活動できるように、肌環境を整えることが重要になってきます。
皮膚常在菌を守るスキンケアを!
上記のことから、肌にとって欠かせない皮膚常在菌を守ることが、健康的な肌作りのうえで大切になってきます。
なぜなら、スキンケア用品に含まれている合成界面活性剤や防腐剤、保存料、アルコールなどのケミカル成分は、皮膚常在菌を減少もしくは死滅させてしまう原因になるからです。
そうとは知らずに、ケミカル成分が含まれているスキンケア用品を毎日使っていては、自ら肌荒れを招いているようなもの。
肌にお悩みを抱えている時は、スキンケア用品にケミカル成分が含まれていないかをチェックしてみましょう。
私たちの肌を健康な状態にしてくれている皮膚常在菌のためにも、肌への優しさを考えたスキンケア用品選びが大切になってきます。
皮膚常在菌を守る成分で作られたスキンケア用品を選び、肌に負担をかけないケアを行ってみてくださいね。