まずオーガニックの本質を理解する
一般の化粧品とオーガニック化粧品では、肌に対する考え方が大きく異ります。一般の化粧品が肌の上から浸透させて保湿したり美白しようとするのに対し、オーガニックでは、肌が美しくなろうとする本来の生命力を引き出し発揮させることを目的にします。肌は最短で28日間+α のターンオーバーによって入れ替わりながら徐々に良くなっていくので、あせらず気長に取り組む必要があります。またオーガニックは天然100%であることが重要で、合成成分が入り混じったものでは十分に効果を発揮することができません。オーガニックは単に塗ればいいのではなく、その基本的なポイントをよく理解して取り組むことが大事です。
保湿化粧品で起きている二律背反
肌はとても精巧で神秘にみちた組織です。その機能を狂わせたり破壊してしまうと厄介なことが生じます。いま、ほぼ年齢に関係なく、ほとんどの女性が乾燥肌に悩まされています。乾燥肌はやがて敏感肌に、そしてアレルギーや吹き出物などの肌トラブルに発展していきます。ここで保湿が必要だからと、保湿化粧品に頼りがちですが、それで解決できるなら肌の悩みはだんだん解消するはずです。でも、本当に問題は解決したでしょうか。ほとんどの場合、その保湿化粧品にも肌の機能を壊してしまう化学成分が含まれていて、保湿しながら乾燥肌がすすむという二律背反な現象がおきています。この矛盾から抜け出すには、化学成分のない植物の力を活用したオーガニックでじっくり対処するのが最善の方法です。
植物の抗酸化力を活用
オーガニックに使われる植物は、ずっと大昔から使われて安全性や効果が確かめられてきた美容植物が中心になっています。植物がもつすぐれた抗酸化力を活用しているのです。植物はいったん根を下ろすとその場所から動けず、その環境で命を全うすることになります。もし無防備なら細菌や外敵に侵され、腐敗したり枯れ死してしまいます。そこで過酷な環境に耐えぬくために、さまざまな活性酸素と戦う力や抗酸化力を身にためこみます。人間はその植物のすぐれた抗酸化力を借りて、食べ物、治療や美容に取り入れてきました。
乾燥肌や肌トラブルの原因は肌バリアの破壊
乾燥肌になると、年齢があがるにつれてシミやくすみ、しわなどの悩みが増えていきます。それは年齢のせいばかりではなく、近年は化粧品の合成成分によって年齢以上に促進されています。こうして生じた肌トラブルは、合成成分を体外に排出することにより、時間とともにかなり改善することが可能です。合成成分は自然界にはない存在で、自然の循環の中では分解せず、肌にとってもなじまないものです。肌に蓄積した合成成分はターンオーバーとともに排出することで、肌はしだいに本来の肌色を取り戻していきます。
健康な肌には15~20%の水分が含まれています。しかし、乾燥肌になると10%以下に減ってしまい、かゆみ、湿疹、炎症などを生じるようになります。その要因は、繰り返しになりますが化粧品に含まれる化学成分です。とりわけ洗顔料やクレンジングの影響が大きいといえます。合成のメイク落としには強い合成界面活性剤が使われていて毎回使うごとに肌を傷めるからです。合成界面活性剤は肌に残留して、バリアを徐々に破壊し、肌を委縮させ、保湿機能を壊していきます。さらに皮脂膜の形成に大切な役割をはたしている常在菌まで一掃してしまいます。しかしオーガニックのケアに切り替えることで、皮脂分泌機能が徐々に回復して、保湿力が戻ってくれば、肌は全体的に改善していきます。
天然成分100%でターンオーバーを待つ
ただし、スキンケアは合成成分が入り混じっていない、天然成分100%のオーガニック品質でなければ十分な効果を期待することができません。肌の仕組みに対してどのように作用するのかをよく理解したうえ、少なくとも半年くらいはじっくり取り組むことが大事です。傷んだ肌が改善するには、数回のターンオーバー(新陳代謝)を経る必要がある場合が多いからです。そうすることで肌はやがて見違えるように元気になり、その変化に大きな満足を得られることでしょう。