石けんと洗浄剤の界面活性剤はどう違う? | ぷろろのオーガニックライフ

石けんと洗浄剤の界面活性剤はどう違う?
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花火
 

油汚れを落とす界面活性剤

 
油よごれは水で洗ってもなかなか落ちません。しかし石けんや洗剤で洗うと、油汚れも簡単に落とすことができます。これは油を水に溶かしてなじませる界面活性剤の作用です。界面活性剤は植物など天然の原料からできるものと、石油から化学合成される元々自然界にはないものがあります。天然の界面活性剤は適度な洗浄力ですが、石油由来の合成界面活性剤は洗浄力が強く、食器やを洗ったあとに残ってしまいます。肌に残った合成界面活性剤は、肌表面を覆っている大切な皮脂を奪いつづけます。お風呂から上がったとき、石けんで洗った肌は水分が水玉になって転がりますが、これは肌に皮脂が残っているからです。ところが合成洗浄剤で洗った肌は、水分がべったりと肌にはりつきます。これは肌に必要な皮脂が奪われたからです。
 

便利な成分だが肌をこわす

合成界面活性剤の用途には「洗浄」「乳化」「浸透」「保湿」などがあります。その種類は2、3千種類にもおよびます。用途や目的に応じて、使われる種類、組み合わせや濃度は変わります。合成界面活性剤は洗浄剤のほか、水をよく捉まえる性質があるので、しっとり感をだす保湿剤としてもよく使われます。肌が潤ってあたかも乾燥が改善したかのように感じるのですが、肌の保湿力が高まったのではなく、合成界面活性剤が一時的に水分を捉まえているだけです。スキンケアは化粧品に依存するのでなく、肌そのものをよくすることが大事です。

また合成界面活性剤は浸透性が強いので、美容成分を肌の奥に届ける浸透材としても使われます。これは浸透させるために肌のバリア機能を壊すので、肌トラブルの原因になります。皮ふのバリア機能は、外界から有害物質が体内に侵入しないように防いでいますが、この門番がいなくなれば、いろいろなものが自由に出入りするのが道理です。アレルギー物質の侵入や、肌の水分が蒸発することで、乾燥しやすい肌になってしまうのです。
 

バス用品
 

肌にも環境にもやさしい石けん

同じ界面活性剤でも、石けんはバリアを壊すことがありません。汚れを落とすとすぐ使命を終えて洗浄力を失い、安全な物質に変化するからです。石けんを泡立てて体を洗ったとき、泡は汚れを流すとすぐに消えます。これは弱アルカリ性の石けんが肌表面の脂肪酸によって中和されるからです。洗い残した石けんかすは肌に残っても、肌を守ってくれている常在菌のエサになります。常在菌が元気なら肌も元気になります。下水や河川に流れ出しても石けんはすぐに分解するので、環境を汚染することがありません。
 

合成界面活性剤による環境汚染

これに対して洗浄剤で体を洗うと、泡は洗い流すまで消えることなく、洗浄力を維持します。いかにもさっぱりした気分になりますが、肌に必要な皮脂まで洗い流すため、肌に大きな負担を与えてしまいます。浸透するとたんぱく質を溶かす性質があり、肌細胞が壊されて肌が薄くなるため、乾燥しやすい肌になっていきます。また河川に流れ出ると容易に分解しないため、生態系を乱し環境汚染を引き起こします。含有される窒素成分は富栄養化の原因になり、水草の異常繁殖を招いたりします。かつて琵琶湖に流れ込んだ生活水が湖を汚染し、藻の異常繁殖により水が腐敗して大きな問題になりました。その後地元での石けん運動によってきれいな湖に戻ったことは象徴的なできごとといえます。

オーガニック化粧品に使われる天然の界面活性剤には、石けんのほか、レシチン、ムクロジ、ラノリン、トチャカエキス、オレイン酸K、ヤシ油脂肪酸Na(またはK)などがあります。植物由来でも、「ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド」、「ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン」のような長いカタカナの合成の界面活性剤がありますので、よく吟味することが大切です。

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